「そんな短期間ではできません」と応じると…
この装置に使われる「リブレット加工」と呼ばれる技術は、ニコンが次世代の先端技術として売り出し中のもののひとつだ。通常であれば、開発に半年から1年はかかる。
「そんな短期間ではできません」とA氏が応じると「それを考えるのがお前の仕事だろ」と課長は一蹴。さらに抗議すると「うるせえ、黙ってやれよ」と叱りつけたというのだ。
無茶な要求をしてきたのは、課長だけではない。
12月には、30~40人が参加するプロジェクト会議で、同部署の本部長が「なんでこんなに遅れてるんだ、なんとしてでもスケジュール通り完成させろ」と大声で追及した。
「本部長があまりの勢いでまくし立てるので、みんな黙り込んでしまった。すると本部長は『誰も何も言わねーのかよ!』と怒鳴りつけた。まさにパワハラ会議でした」(A氏)
トップからこう言われれば、社員はただ従うしかない。当時、同僚からA氏に対して、こんなチャットが送られてきている。
「本部長が直々に『やれよ』って言ったわけだからもう言い訳できんよ 今日も、明日も、明後日も徹夜でやるしかないやろ」
さらにその同僚は、こう告げたという。
「今もひどいけど、前のプロジェクトでも3~4日徹夜は普通だったよ。コーヒーでは効かないから、カフェイン錠剤を砕いて飲んで、眠気を飛ばすんだ」
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