「変わらぬ会社の体質に絶望して去っていく社員が後を絶ちません」
こう嘆くのは、猫用おやつの「CIAOちゅ〜る」で知られる缶詰製造大手「いなば食品」の現役社員のX氏だ。
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愛想を尽かしていく社員
2024年度の新入社員の大量入社拒否を皮切りに、小誌はいなば食品の稲葉敦央社長(70)と妻の優子会長(55)による著しい会社の私物化を報じてきた。
いまや社内でも両者の責任を問う声があがっている。
「24年春の役員会では、とある役員が『会長が辞めないなら役員一同辞任します』と迫ったのですが社長が首を縦に振らず、会長解任は雲散霧消しました。会社の実質的なナンバー2で経営面を掌握していた常務は愛想を尽かして24年9月末で会社を去っています」(同社関係者)
社長が、会長を切れないワケとは?
なぜ敦央社長は優子会長を切れないのか。
「社長には後継者にする予定の息子がいるのですが、『俺は息子を人質に取られている。だから会長の解任はできない』と言うのです」(X氏)
人質とは不穏な響きだがどういうことか。前出の関係者が引き取る。
「夫婦の間で揉め事があると、会長は子供を引き合いに出して社長を脅迫するそうです。息子を溺愛している社長はこの脅しに屈してしまい、家庭の方針はもちろん、会社の在り方に関しても絶対に優子会長の機嫌を損ねることはしません」
優子会長の権勢は増すばかり。24年9月には子会社の「焼津水産化学工業」の取締役会長に就任。早速混乱を起こしているという。
「会社のロゴを変えろだとか、役職員の給料を全員分教えろだとか、次々と思い付きを口にしては従業員を困らせています」(焼津水産関係者)
『私の写真を消せないか』
そんな傍若無人の女帝にも意のままにならぬものがある。
「文春をはじめ自分についての報道は気にしていて、弁護士に『私の写真を消せないか』などと相談している」(同前)
24年4月24日に配信された〈「世界の猫を喜ばす」会社は、なぜ日本中の嫌われ者となったのか…いなば食品の炎上が止まらない根本原因〉(プレジデントオンライン)と題する記事。神戸学院大学の鈴木洋仁准教授が寄稿したいなば食品の炎上の背景を分析したものだ。配信から約5カ月後の9月、この記事を読んだ優子会長が激怒。部下にこう指示を出した。