結局、マタ垢、ママ垢界隈は図太い人間しか残れない
ーーマタ垢にしろ、ママ垢にしろ、ルールを守ってさえいれば、安泰に呟いていられるってことなんでしょうかね。
杏 人によると思うんですよね。けっこう前にアカウントを作ってインフルエンサーとしてやってきたのに、誹謗中傷に耐えられなくてやめていく子って多かったので。結局、図太い人間しか残れない。「私は私のやりたいようにやります」っていうのって、もともと図太い人間しかできないことなんだなとは思うので。
もちろん「流されちゃったほうが楽だ」っていう人もいるだろうし、ルールを守ることで結束感みたいなものを感じて楽しい人もいるんだろうし。「女子は群れたがる」ではないですけど、みんなと一緒だったり、同じだと安心するとか。
ーーそれでもいいと感じる人は、ずっとルールを遵守しながら、アカウントを守っていくわけですか。
杏 マタ垢、ママ垢から、別のフェーズに移動しながら続けていくんじゃないでしょうか。ママ垢は0歳から3歳の未就園児のママがやっているわけですけど、その子たちが進学するにしたがって、幼稚園ママ界隈とか少年スポーツ界隈が待ち受けているらしいので。
それこそSNSがない時代は、そういうのが「ご近所」だったんじゃないかなと思うんですよ。井戸端会議だったり、町内会の婦人部みたいなものとかでも、似たようなことはあったと思うんです。空気を読んで愚痴しか言っちゃいけないみたいなのとか。
ーー杏さんは、「マタ垢やママ垢があって、良かった」と思えたことってありましたか?
杏 私、つわりがひどくて入院したんですよ。病院から「ここまでひどくなる妊婦さんは、全体の1%いるかいないかだよ」と言われて、「自分だけなのかな。どこかおかしいのかな」って落ち込んで。でも、Xには同じようにひどいつわりに悩んでいて、出産予定日も近い妊婦さんがけっこういて。「私だけじゃないんだ」って思えたし、「あれなら食べられた」とか情報を交換できたりしたんですよ。
やっぱり、そういう部分では救われたし、マタ垢、ママ垢があるのも理解できるんですけどね。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。