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「同じ売れっ子でも、タレントのテレビやCM出演料よりも、歌手のファンクラブ収入やコンサートのグッズ収入などのほうがはるかに大きいですから。ホリプロは給料制ですが、タレントの取り分は多くないとも聞いている。これからの芸能事務所でやっていけるのは、CMの仕事を取ってこられるタレントを持った少数精鋭の事務所ですね」(同前)

堀威夫 ホリプロ創業者 ©時事通信社

あのビッグタレントにも“不穏な動き”が…

 昨年末には公正取引委員会が、芸能人の事務所の移籍や独立をめぐる実態調査の結果を公表。旧所属事務所からの妨害行為は独占禁止法上問題になるという見解が示された。

「かつては、大手事務所を辞めたら3年間は干されるのがしきたり、とも言われましたが、そういうことが許されない時代になっています」(前出・スポーツ紙記者)

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 ホリプロ所属タレントの中でも火種はくすぶりはじめている。

「俳優の中尾明慶が事務所のマネジメントに不満を持ち辞めたい、となったんですが、俳優が中心のプロダクション一部からバラエティタレント中心のプロダクション二部に配置替えすることでなんとか落ち着いたそうです」(別の芸能事務所関係者)

中尾明慶 ©時事通信社

 そして、さらにこんなビッグネームにも不穏な動きがあるという。

「NHK大河ドラマ『西郷どん』などで主役を務めた鈴木亮平にも退所の話があります。東京外国語大を卒業した鈴木は英検1級の資格を持ち、海外進出の意欲も高い。ただ、アメリカなどの仕事は海外のエージェントが入り、日本の事務所には実入りが少ないため、あまり事務所は積極的にはならないものです」(同前)

鈴木亮平 ©文藝春秋

 鈴木の仕事は引きも切らないが、変化も起きている。

「今年7月クールにはTBS日曜劇場で主演が決まっていたのですが延期になりました。というのも、2023年に興行収入45億円の大ヒットとなった主演映画『TOKYO MER~走る緊急救命室~』の続編の公開が8月と被るため、鈴木が『撮影と宣伝は同時にはやれない』と延期を申し入れたそうです」(同前)

 中尾の所属変更やその理由についてホリプロに尋ねると、「マネージメントを担当する部署が変わったことは事実です。 それ以外はお話することはございません」。鈴木の退所に関しては、「そのような事実は全くございません」と回答があった。

 芸能界の地殻変動はやむ気配がない。