たかが十数頭の馬の着順に人々の喜怒哀楽が交差する。年末の風物詩、日本競馬界最大のレースである有馬記念とはそういうものだ。2024年12月22日、小誌記者Y(29)もまた、サラブレッドに夢を託そうとしていた。

森香澄

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1年で最も盛り上がるレース

「有馬記念は、その年の人気投票で出走馬が決まる年末のオールスターレース。日本中央競馬会(JRA)の発表によると、2024年の有馬記念における馬券売上は550億円超。JRAにとってなくてはならないビッグイベントであり、競馬ファンにとっても1年で最も盛り上がるレースなのです」(スポーツ紙記者)

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 されど今回の有馬記念はレース前から波乱含み。名ジョッキー武豊の騎乗予定だった一番人気のドウデュースが、右前肢の不調により出走取消を発表したのだ。

 一番人気の不在により、レース展開は不確実性を増した。上級者でも尻込みするこの状況を、しかし競馬初心者Yは好機と捉える。

 決戦前夜、Yは「スポーツニッポン」を穴が空くほど眺めていた。その目にはタレントの森香澄(29)の予想が映っていた。

「令和のあざと女王」の競馬予想

 テレビ東京のアナウンサーからフリーに転身した森は、すでに他局で冠番組を持ち、昨年は8本のドラマ出演を果たした「令和のあざと女王」と呼ばれる当代きっての人気タレント。テレ東時代に競馬中継番組の司会を3年務めるなど、森と競馬の縁は深い。競馬予想も彼女の十八番だ。

「23年のG1日本ダービーでは3着までの着順を当てる3連単予想を見事的中させています。昨年の日本ダービーも本命と対抗がそれぞれ3着と2着。大きなレースでは馬券を買うと公言している森さんの予想に注目する競馬ファンは少なくない」(競馬ライター)

今年は三十路に突入

 ファンクラブ会員に名を連ね、編集長にこっぴどくどやしつけられては潤んだ目で写真集のページをめくるという筋金入りの森ファンのY。正月の餅代を稼ぐため、生き馬の目を抜く芸能界を駆け抜ける森にすがることに心は決まっていた。

 その森の予想は、1着(◎)ダノンデサイル、2着(◯)アーバンシック、3着(▲)レガレイラ。

「人気馬中心で、意外性は少ないですが、手堅い予想だったと言えます」(同前)