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イーグルスの“カー君”田中和基、プロ2年目のひとり立ち

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/06/20
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昨シーズンとは違う意識革命

 6月に入り、田中選手に、一軍で試合に出場し続けるために大切だと思っている事について聞くと、「去年はガチガチで緊張しながらミスしちゃ駄目だと思って、守りに入ったプレーをしていたんです。でも今年は『相手の方がレベル高いんだから』と思って良い意味で開き直れたこと、そして心に余裕をもてたことですかね」

 2年目の田中選手には、昨シーズンとは違う意識革命が起こっているのだと感じた。

 先週火曜日、島内選手が約2か月ぶりに待望の一軍昇格を果たした。田中選手の活躍ぶりについて聞くと、「あいつもノーステップにしていい形で打てているので、何とか僕もあいつに負けないように頑張っていきます」と話してくれた。

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 島内選手からのコメントを田中選手に伝えると、「そう言ってくれるのは有難いです。まだまだチームの主軸の選手になれていないので、まずは良いところを出そうと割り切っています。悪いところをみても仕方ないので。島内さんみたいなプレーはまだまだ全然出来ないですけど、僕も負けてはいられないので、どんどん追いつかないといけないと思います」とコメント。

 先輩後輩という信頼関係はありつつも、2年目のシーズンに入った今、「マネージャーは卒業しました(笑)」と先週木曜日に語った田中選手。

「今日ダメだったら、もしかしたら明日(一軍に)いないかもしれないという立場だと思うので、1日1日を無駄にしないように、常にアピールできるように、やるだけです」そう話してくれた瞳の奥には危機感の中にある燃えたぎる競争心を感じた。

 過去に島内選手は「将来的にトリプルスリーを確実に狙える選手は田中です」と語っている。生え抜きの選手である2人が、お互いの実力を認め合いながらも、刺激を与え合い切磋琢磨して、もっともっと活躍してくれる事だろう。そして、2人で勝利のお立ち台に上がる日もそう遠くないと自分は確信している。

好きなおにぎりの具は「昆布」だが、なぜだか「梅」を食べている田中選手 ©河内一朗

 最後に「カー君」という呼び名が定着しつつある事について尋ねてみると、「立教大の同期で、現在オリックスで活躍している澤田圭佑投手が『カー君、カー君』と言い出したので、ファンの皆さんに『カー君』と呼ばれても違和感は全くありません」と笑いながら話してくれた田中選手。

 光GENJIが解散する前の年に生まれた田中選手はローラースケートではなくスパイクを履いてフィールド内を暴れ回ってくれるだろう。残り約80試合ある中で、「カー君」の走攻守三拍子に是非とも注目して頂きたいと思う。

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