♪雨はつめたいけど ぬれていたいの 思い出も涙も流すから~♪

 テーマを聞いて頭をよぎったのは1990年リリースの森高千里の「雨」だった。小学生の時に寝る前に聞いていたラジオ番組「OBCブンブンリクエスト」で出会い、今もなお好きな曲である。雨で試合が中止になり、野球中継が出来ないときは必ずラジオでこの曲をオンエアする、Rakuten.FM TOHOKUの河内一朗です。

 まもなく6月、梅雨の時季がやって来た。楽天イーグルスの本拠地・楽天生命パーク宮城は屋外スタジアムであるため、雨が強く降れば試合は雨天中止。試合中に雨が降ればプレーにも支障が出るため、本当に晴れるに越したことはないのだが、雨が降ったからこそ生まれるドラマや、ドーム球場にはない印象的な出来事もある。

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 そこで今回は、選手に「野球人生の中で最も記憶に残る雨の思い出」について聞かせてもらった。

雨降るマウンドで投げた高校最後の夏の記憶

好きなおでんの具は玉子の三好選手が雨に打たれる ©河内一朗

☆三好匠選手編

「(福岡・九州国際大付)高校3年の練習試合の日の事です。試合前からずっと強い雨が降ってて試合をやるかやらないかという話をしていた時、ベンチにいたんですが、すぐ近くに雷が落ちたんです! すぐ中止になりました。あれは絶対忘れません(笑)」

 雨どころか雷とは!

 三好選手は高校時代3度の甲子園出場を果たしている。通算成績は投手として56イニング、防御率2.73、38奪三振。野手としては9試合で打率.303、2本塁打。華々しい成績を残した高校生活の中でも、流石にカミナリ事件はビックリ仰天だったに違いない。

好きなアイスはBLACKアイスバーの岸選手 ©河内一朗

☆岸孝之選手編

「(宮城・名取北)高校3年の最後の夏の大会で、もの凄く雨が降って。宮城球場(現:楽天生命パーク宮城)での試合でしたが、グラウンドが田んぼみたいな感じになったんです。高野連側としては中止にしても良かったと思いますが、最後まで試合をやらせてくれた事を今でもはっきり覚えています」

 遡る事16年前の2002年7月16日。この日は台風7号接近により試合途中から降雨があったそうだ。仙台二高との2回戦。岸投手は自責点ゼロながら2−4でチームは敗退した試合であった。雨降るマウンドで投げた高校最後の夏の記憶。しかも16年前の楽天生命パーク宮城での思い出とは、ファンとしても感慨深いエピソードである。

好きなおにぎりの具は辛子明太子の高梨選手が雨に打たれる ©河内一朗

☆高梨雄平選手編

「(早稲田)大学1年の初登板の時に雨が降っていて、初登板なのに雨かぁと思いながら神宮球場のマウンドに立った事を覚えています。あと、試合ではないのですが、高校時代(埼玉・川越東高)の練習ですね! ドロドロのグラウンドの中でノックを受けて飛び込んで泥んこになって、最後は疲れ果てカッパを来て雨に打たれながら家に帰る。雨といえばこの記憶が一番蘇ってきますね!」

 雨ニモマケズ泥ニモマケズ。

 この頃の経験が高梨選手の強さの原動力になっているに違いない。