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楽天選手に聞いた「野球人生の中で最も記憶に残る雨の思い出」

文春野球コラム ペナントレース2018 対戦テーマ「雨」

2018/05/30
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100羽以上の鳥たちがフィールド上を飛び回った「鳥事件」

昨年8/30 降雨による中断中に自由に飛ぶ鳥の群れ©Rakuten Eagles

 そして、楽天イーグルスで「雨」の試合といえば、記憶に新しい昨年8月30日の埼玉西武戦。降雨で58分間の中断の間に100羽以上の鳥たちがフィールド上を飛び回った、あの日の「鳥事件」だ!

 あの印象的な出来事について、高梨雄平選手と岡島豪郎選手に話を聞いた。

高梨選手「ドローンを使って鳥を追い払ったり、警備の方が警笛をピーピー鳴らして鳥を追いかけたり。あんな試合なかなかないじゃないですか! ベンチにいましたが、途中から長いコントを見ているような感覚になりました。申し訳ないのですが、ちょっとオモシロかったです!(笑)」

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 確かに。真っ暗になったスタジアムで客席に光るスマートフォンのライトは、コンサート会場のペンライトのような幻想的な光景だった。そして、ゲームは再開。なんと楽天イーグルスは8回裏、4点を追う2死から満塁を作り、オコエ選手、岡島選手の連続タイムリーで同点に追いついたのだ!

岡島選手「だいぶ中断時間が長かったので、本当にこのままやるのか? と思ってベンチで待ってました。試合再開後の、あの場面で(センター前に)タイムリーが出たのは本当に良かったですし、興奮しました!」

 その後また雨脚が強まり、降雨コールドで引き分け試合となったが、印象的には「勝ち」に等しい引き分けゲームであった。

好きな味噌汁の具はえのきの岡島選手会長が雨に打たれる ©河内一朗

 そんな岡島選手の最も記憶に残る雨の思い出は「やっぱり、日本シリーズの最終戦です! 大した雨ではなかったですが、少し雨が降る中、日本一になれたのは最高に嬉しい記憶ですね!」

 そうなのである! 日本一になったあの日も雨が降っていた。2013年日本シリーズ第7戦でも2回裏にタイムリーを放った岡島選手。雨のゲームでも、ここぞという時にバットで結果を出してくれる。

 そこで岡島選手に、降雨コールドゲームになった時にホームベース上に敷かれたビニールシートでヘッドスライディングをしてファンの人を楽しませる、あの名物行事についても聞いてみた。

岡島選手「今年はまだそういうシーンがないので、もし(降雨コールドゲームが)あった時には、ヘッドスライディングは誰に行かせようか、今から考えておきます!」

河内「そこは岡島選手会長ではないんですか?」

岡島選手「いや、僕はいかないです! やっぱりねぇ、直人さんが戻ってきたので直人さんに行かせたいですね。その時は直人さんに思いっきり振ります!(笑)」

 8年ぶりに古巣にカムバックした渡辺直人選手が降雨コールドになってビニールシートにヘッドスライディングしたら、イーグルスファンが確実に盛り上がる事を知っている岡島選手会長。

 雨天中止になって残念に思っているところ、折角きてくれたファンの方に少しでも喜んで頂きたいという思いで行う「ヘッドスライディング」。選手はいつもファンを大切にしている! これぞ雨の日の屋外スタジアムならではの光景なのである!

 そして、もし今シーズン雨の日に試合が成立し、渡辺直人選手のヘッドスライディングでスタジアム全体が大歓声に包まれたのなら、渡辺直人選手の生まれた1980年にリリースされた名曲・RCサクセション「雨あがりの夜空に」をラジオで聞きながらファンの皆さんに気持ち良く帰ってもらいたいと思う。

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