また、「僕の体は筒井さんで出来ているほどファン」と語っている吉田監督に対して筒井は、「喜劇、あるいは笑いというものをどういう風に考えてらっしゃるかを伺いたかった。」と吉田監督に質問。吉田監督は「(筒井が映画『敵』のビジュアルをみて)さっき長塚さんが怖いとおっしゃってましたね。確かにこのビジュアルだと確かにそうなんだろう。だからこそ、そういう人が女性に対してちょっと無様なことになったり、面白いことになったりするのは、僕は自分でも見るたびに笑ってしまいます。こういう人の心の内が1番笑えるというか。こういう人であればあるほどという風に思ってました。」と吉田監督の考える喜劇、笑いについて語る。
もし20年前に「敵」の映画化が決まっていたら……?
最後に吉田監督から、もし20年前に「敵」の映画化が決まり、主演のオファーをさせて頂いていたらどうしていたと思うか、と聞かれると「言ってきてくれるのは嬉しいけれども、いや~やってないかな。僕にとっては演じる楽しさみたいなのがないかな。やっぱり僕はドタバタがいいね。」と回答。
実際に会うのは初の二人だが、“敵”を通じて相思相愛。「すべてにわたり映像化不可能と思っていたものを、すべてにわたり映像化を実現していただけた」と原作者・筒井康隆も太鼓判を押す、全編モノクロームの世界で、虚構と現実の狭間に没入する映画体験をぜひ劇場で楽しんでほしい。
<物語>
渡辺儀助、77歳。
大学教授の職を辞して10年―妻には先立たれ、祖父の代から続く日本家屋に暮らしている。料理は自分でつくり、晩酌を楽しみ、多くの友人たちとは疎遠になったが、気の置けない僅かな友人と酒を飲み交わし、時には教え子を招いてディナーを振る舞う。預貯金が後何年持つか、すなわち自身が後何年生きられるかを計算しながら、来るべき日に向かって日常は完璧に平和に過ぎていく。遺言書も書いてある。もうやり残したことはない。だがそんなある日、書斎の iMacの画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくる。
<クレジット>
長塚京三
瀧内公美 河合優実 黒沢あすか 中島歩 カトウシンスケ 髙畑遊 二瓶鮫一 髙橋洋 唯野未歩子 戸田昌宏 松永大輔 松尾諭 松尾貴史
脚本・監督:吉田大八 原作:筒井康隆『敵』(新潮文庫刊)
企画・プロデュース:小澤祐治
プロデューサー:江守徹 撮影:四宮秀俊 照明:秋山恵二郎 美術:富田麻友美 装飾:羽場しおり 録音:伊豆田廉明 編集:曽根俊一 サウンドデザイン:浅梨なおこ 衣裳:宮本茉莉 ヘアメイク:酒井夢月 フードスタイリスト:飯島奈美 助監督:松尾崇 キャスティング:田端利江 アクション:小原剛 ガンエフェクト:納富貴久男 ロケーションコーディネーター:鈴木和晶 音楽:千葉広樹 音楽プロデューサー:濱野睦美 VFX スーパーバイザー:白石哲也 制作プロデューサー:石塚正悟 アシスタントプロデューサー:坂田航
企画・製作:ギークピクチュアズ 制作プロダクション:ギークサイト
宣伝・配給:ハピネットファントム・スタジオ/ギークピクチュアズ
製作:「敵」製作委員会
©1998 筒井康隆/新潮社 ©2023 TEKINOMIKATA
公式サイト:https://happinet-phantom.com/teki 公式 X:https://x.com/teki_movie
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