また、持ち主が高齢者で施設に入ったまま戻らず、連絡が取れなくなることも。 実際、大規模な修繕の際に積立金が約1億円足りなかったケースもあったといい、そこにはタワーマンションならではの理由があるという。
マンション管理士 山崎さん:エントランスからしてすごく豪華ですよね、それだけ使っている材料や資材がかかり、それが壊れれば修繕費用もかかります。 築12年ぐらいたってくると、大規模修繕工事を検討するんですけど、全てやると数億円かかる。2回目以降の大規模修繕となった時に、本当にそれを乗り切れるのか。そう思うと廃虚化に対する懸念というのは理解できる。
廃虚化を防ごうと提言されたいわゆる『空室税』だが、所有者からは「地域によってはさらに空き部屋が増えるのでは」との指摘もある。
空き部屋を所有 谷俊二さん:(空室税が導入されると)より便利なところだけを維持しておこうということになれば、セカンドハウス的に持ってらっしゃる方は、郊外の物件はいらないと。中心地が離れたところに空室が増えると思いますね。
批判の声もあがる『空室税』。神戸市は来年度から具体的な条例案などについて市議会で議論を進める予定だ。
■「空室税で裁判起こされたら勝てるのか?」と菊地弁護士の指摘
タワーマンションの空き部屋への課税を神戸市が検討を始めるという。徴収した税収はマンション管理や防災・防犯に掛かる経費として使っていくということが提言されている。
『空室税』導入に向けた動きに対し、番組コメンテーターの菊地幸夫弁護士は次のように話した。
菊地幸夫弁護士:いろんな問題があって、今は不動産を買えばその固定資産税という形で税金を払います。投資用で買うのも自由。買ったマンションを空室にしとこうが、自分が住もうが、誰かに貸そうが、本来自由なわけです。
菊地幸夫弁護士:そこに税金をかけるのは、確かに『修繕費をどうするんだ』という問題がありますけど、ただタワーマンションじゃなくても、そんなに階数がなくても、大規模なマンションであれば、みんなの合意形成が難しいというのはいくらでもあります。なんでタワマンを狙い撃ちしてっていうのが。 例えば税金をかけられた人が、『いや私払わない。裁判で争う。これは憲法違反の税金だ』なんて言った場合に、裁判で勝てるのか?