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紅白オファーを一蹴したレジェンド歌手

「2人のフォーク仲間で22年に音楽活動を引退した吉田拓郎さん(78)です。イルカさんは事前取材会で拓郎さんのサプライズ登場について聞かれ『“家で酒でも飲んでらぁ”っていうのがらしいかもしれない(笑)』と話していました。彼女の読み通り、拓郎さんはオファーを一蹴したそうです」(文化部記者)

引退した吉田拓郎

 続いて昨年10月に亡くなった西田敏行(享年76)を偲び、ゆかりの深かった松崎しげる(75)、竹下景子(71)、武田鉄矢(75)、田中健(73)の4人が、西田のヒット曲『もしもピアノが弾けたなら』を歌った。

「昭和の香りがプンプンするねえ」

 本番前、楽屋には4人にイルカと南の2人が加わり、“昭和組”の記念撮影を行った。松崎が「昭和の香りがプンプンするねえ」と口にすると、南が「それイイね! 本番で言おうかな」と応じ、6人は旧交を温めた。田中健が回想する。

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「西やんとお酒を飲んだり年越しそばを一緒に食べたりした思い出話に花が咲いた。本番は西やんが紅白に初出場した時の歌唱映像に合わせて歌ったのでテンポを取るのに必死でした」

非歌手ながらステージに立った田中健

 松崎しげるが続ける。

「健坊(田中)は慣れてないから、『本番はオレが横について(ソロパートの)頭は一緒に歌おうな』と言ってリラックスさせていたんだけど。西やんの映像が目に入ってきたら色々な思い出が蘇ってきて逆にこっちがこみ上げてきちゃって。不遇の時代からの無二の親友だったから」

西田敏行との思い出を語った松崎しげる

 西田は生前、『もしもピアノが弾けたなら』を、「詩を朗読するような歌」と語っていたという。

「西やんが歌うと、風景が目の前に立ち上がってくる。彼から歌とは何かを教えてもらった。これからも歌い継いでいきたい」(同前)

西田敏行さん ©文藝春秋

 年が明けても紅白の熱気が冷めやらぬ町がある。岡山県北部、人口10万人が暮らす津山市。市内の小さな化粧品店「イナバ化粧品店」はB'z 稲葉の生家だ。