もしも他球団にゲレ砲がいたら?
それにしても暑い。13時試合開始、日差しも強くスタンドに座ってるだけで汗が吹き出てくる。2軍選手が昇格するとデーゲームの毎日から、ナイター中心の1軍日程に慣れるのにしばらく時間が掛かるというのも分かる気がする。結論から書くと、2軍戦に「4番レフト」で先発出場したゲレーロは2三振を含む、3打数無安打。外野守備ではレフト線の打球を後ろに逸らしランニングホームランにしてしまう拙守もあった。「あぁ早く涼しい東京ドームでプレーしたいぜ」みたいな表情で守備位置にテクテク走る背番号5。今さらイースタン成績が意味を持つ選手でもない。いわば通常運転、一連の動きを見る限り下半身の状態も心配ないようだ。
ちなみに個人的に移籍組を見る時に勝手に基準にしているのは、「もしこの選手が巨人じゃなくセ・リーグ他球団に加入していたら?」という視点だ。例えば、山口俊が今のヤクルトの先発ローテにいたら順位表も変わっていたんじゃ…的な見方である。2軍調整中の野上亮磨は広い甲子園やナゴヤドームを本拠地にする阪神や中日で投げていたら結果もまた違ってきそうだし、ゲレーロだって仮に狭い横浜スタジアムのDeNA打線にいたらめちゃくちゃ怖い。そう考えると、補強組に対して「ウチに来てくれてありがとう」と謙虚になれる。全然関係ないけど、付き合ってる恋人に不満を持ったときも「もしこの人が会社の同僚に奪われたら……」なんて無意味に脳内シミュレートすると、大抵のことは許せてしまうわけだ。
今季の巨人打線はとにかく外野陣の長打力不足に悩んでいる。日本人トップが亀井善行の6本塁打、長野久義はわずか4本、開幕直後の骨折で離脱していた陽岱鋼も2本と、これではどうしてもキャプテン坂本勇人と新4番バッター岡本和真への負担が増えてしまう。その坂本はコンディション不良から24日のヤクルト戦で今季初のスタメン落ち、岡本も休養日なく開幕からフル出場を続けているので疲労は溜まっているはずだ。そうなると、彼らをサポートできるのはマギーとゲレーロのハンパない実績を持つ助っ人コンビしかいないと思う。特に今の巨人全支配下外野手で30本塁打を打てるポテンシャルを持つ男は、誰がどう見てもゲレーロ唯一人だろう。
ロシアの地で戦うサッカー日本代表を見ても分かるように、何も終わっちゃいないのに期待外れなんてディスるのは気が早い。ペナントレースはまだ半分以上残っている。何が起こるかなんて誰にも分かりやしない。現在チーム打率リーグトップのオーダーに復調したキング・ゲレ砲が加わった時、いったいどんな打線になるのか? 2018年型巨人打線の完成形が楽しみだ。
最後に2軍調整中のゲレーロには、セネガル戦で代表661日ぶりの同点ゴールを決めた本田圭佑のこんな言葉を送りたい。
「みんな俺が厳しい状況だと思っているだろうけど、ここからは楽しみしかないよ」
See you baseball freak……
※「文春野球コラム ペナントレース2018」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイトhttp://bunshun.jp/articles/-/7639でHITボタンを押してください。
この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。