“嫌い”を自分の燃料にする

valkneeさん。

valknee 友達と話してても、「まあなんか悪役にもいろいろ事情がありますよ」「根っからの悪人なんかいないんですよ」っていう説が広まってるなと思うんだけど、私の中では悪は存在する。悪を憎む気持ちがすごくある。

上坂 確かに。

valknee 友達に「バルニーは人を嫌いになりたいんじゃない?」「“嫌い”を自分の燃料にしたいから、わざと嫌いって思い込んでるんじゃないか」って指摘されたことがあって。

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 本の中で、上坂さんの箸の持ち方を指摘してきた人がいたけど、悪気なかったじゃん。だけど、私は悪気はなかったっていう確認までしないで、「こいつは私に喧嘩を売ってきた。私を下に見ている」ってどんどん人を嫌いになるタイプ。本の中のいくつかのエピソードが、自分のそういう部分と重なった。

上坂あゆ美『地球と書いて〈ほし〉って読むな』。

上坂 今の「自分の燃料にしたいから人をわざと嫌ってるんじゃないか」っていうの、めっちゃハッとするね。怖いね!

valknee 誰かが一回でもミスをしたら、二回目、三回目は見てあげないところが私にはあって。

上坂 そうなんだ……気をつけよう。

valknee いや、大丈夫。上坂さんのレベルじゃなくて、もっと明らかに失礼な場合だから。ものづくりに敬意がないタイプの人とかに、「こいつはクソだ。呪ってやる」って思っちゃうタイプ。

“表口”で説教する人&“悪口人間”

valkneeさん。

valknee あと、私、悪口めっちゃ言う。

上坂 偏ってるのはわかってるんだけど、私は本人に言いたくなる。

valknee 素晴らしいじゃない。「それ失礼ですよ」みたいな?

上坂 っていうか説教。

valknee すごいな(笑)。

上坂 「裏でコソコソ言うのは良くない」とか「思ってることあるなら言え」っていう方針の家で育ったから、陰口があんまり得意じゃなくて。そうすると、「あいつめっちゃムカつく」って思った時にはもう“表口”しかないじゃん。それで、「表で言おう」ってなった結果、バチ揉めたりとか、 SNSで悪口書かれたりとか。