スコップを手にした写真
天皇ご一家は、5月、栃木県の御料牧場で静養をなさった。ヘルメットを被って牧場内でサイクリングをなさり、雨の日には雅子皇后が自ら、嫁入り道具のカローラⅡを運転して移動をされた。
ご家族でタケノコ掘りをなさった際には、陛下が構えたカメラに向かって、スコップを手にした愛子さまが自然な笑顔を見せられていた。この愛子さまがタケノコ掘りをしている様子には、宮内庁のインスタ・アカウント開設以来、最も多くの「いいね」が寄せられた。
同月、愛子さまは都内で公務に臨まれた。国立公文書館で紫式部の「源氏物語」や注釈書など平安文学に関する史料を集めた特別展「夢みる光源氏―公文書館で平安文学ナナメ読み!―」を鑑賞された。
この展覧会は、古来、神仏のお告げとされていた「夢」がテーマで、清少納言が、見た夢の意味が分からずに恐ろしくなり、夢の専門家から内容を説明してもらって安心したという「枕草子」の一節などをご覧になった。
愛子さまは調査員の説明を聞いて頷きつつ、「夢占いは現代でもありますね」と述べられた。実は中学生の時に、「枕草子」を勉強なさった愛子さまは、夢分析に興味を持たれて、精神分析で知られるジークムント・フロイトの『夢判断』も読破されたという。
「更級日記」に関する史料をご覧になった際には、「他にも夢が出てくるところがありましたね」と鋭く指摘され、説明役の調査員を驚かせる一幕もあった。
鑑賞を終えられて帰り際に、館長が「またおいでください」と伝えると、愛子さまは、「はい。近くですので、シュッと来られます」と右手首を素早く内側にひねるジェスチャーを交えてお応えになった。そんな気さくなふるまいが、自然と周囲を和ませていた。
※本記事の全文は「文藝春秋 電子版」に掲載されています(「愛子さまと悠仁さま」)。全文では、愛子さまの日本赤十字社への勤務状況、愛子さまの朝のルーティン、悠仁さまの進学問題、愛子さま23歳の誕生日に受け取った両陛下からのプレゼントなどについて語られています。
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