女性トラブルの渦中にいたタレントの中居正広氏(52)が芸能界引退を発表した。昨年12月、女性と性的トラブルを起こし高額の示談金を支払っていたことが発覚し、各局のレギュラー番組が続々と終了を発表する中、ついに本人が芸能界から身を引くと決断したことになる。

引退を発表した中居正広 ©時事通信社

 引退の発表は、23日に自身のファンクラブサイトに掲載された“少しでもお先にご報告”と題した文書だった。テレビ局など関係各所との契約解除等に関する会談がすべて終了したタイミングだといい、「これで、あらゆる責任を果たしたとは全く思っておりません」「全責任は私個人にあります」と謝罪。

 ファンクラブの会員には「こんなお別れで、本当に、本当に、ごめんなさい」と綴り、「さようなら…」という言葉でSMAP結成から37年の芸能生活を結んだ。

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 ネットやメディアでは彼の才能を惜しむ声とともに、「逃げた」「自業自得」という批判も飛びかった。彼のいう“相手さま”との守秘義務もあったのだろうが、実際に何が起きたのか、など騒動の真相については何も語られなかった。

“公開処刑”と今回の引退発表の共通点

「何も語らない中居氏」で思い出すのは、2016年1月18日に行われた“公開処刑”と呼ばれるSMAPの謝罪会見だ。

「SMAP×SMAP」(フジテレビ系)の番組中で、暗幕を背にメンバー5人が真っ黒なスーツに身を包み、陰鬱な表情で並んでいた。

 会見を仕切ったのは真ん中に立った木村拓哉さんで、リーダーのはずの中居氏の立ち位置は向かって一番左端だった。口を開いたのも最初でも最後でもない4番目、SMAPのリーダーであることを感じさせる要素はなかった。

SMAP SMAPより

 会見が始まっても、他のメンバーが話している間は視線を落とし、身体の前で両手を重ねて聞いていた。

 自分の番がくると、まず重ねていた手をこすりあわせた。彼にしては珍しい仕草で、プレッシャーや不安があったことが窺える。

「今回の件で、SMAPがどれくらい皆さんに支えて頂いているのかということを、あらためて強く感じました」と力のない低い声で述べると「本当に申し訳ございませんでした」と深く頭を下げた。

 そこで一瞬カメラに視線を向けると、「えー」と声を出しながら大きく息を吐く。緊張はしているのだろうが、表情も声色もほとんど変わらない。

 最後にトーンを抑えた声で「これからもよろしくお願いします」と再び頭を下げた。1度目よりも、頭の位置は高かった。