同級生が証言する犯人の学生時代
市民の日常を襲った凶行に対し、執念の捜査が実った格好だが、逮捕された矢口容疑者はどのような人物なのか。冒頭の中学、高校時代の同級生が証言する。
「学生時代は明るい性格で、人当たりがいい印象。中学時代はバスケットボール部に入っていました。勉強も学年の『中の上』から『上の下』で、全体的にソツがない人でした。何か気に入らないことがあると癇癪を起こしたり、誰かを傷つけたりとか、そういう話とは無縁でしたね」
矢口の生家の近くに住む人物は、矢口が育った家庭環境についてこう説明する。
「(矢口が)大学生のころだったかな。お母さんが乳ガンで亡くなってしまった。55歳くらいでした。兄弟は3人いましたが、お父さんが男手1つで子どもたちを育てていた。お父さんは市内で時計屋を営んでいます。婿入りして店を引き継いでいるから、80年以上続く、かなりの老舗。再婚もしないで頑張っていたんですけど、なんでこうなっちゃったんだろうね……」
前出の同級生は、社会人になった20代の矢口にも邂逅しているという。最後に会った日を振り返り、嘆息する。
「(会った時は)普通でしたよ。病んだり、何か変わったな、と思うことはありませんでした。IT系の会社に入って、仕事を頑張っていると言っていましたね。その後、30代、40代に何か大きな挫折や、転落を味わってしまったのでしょうか……」
前出の社会部記者が続ける。
「矢口は取り調べに対して黙秘を貫いていますが、殺人を含む余罪の立件に向けて捜査本部は丁寧に裏取りを進めています」
そつなく、楽しげな学生時代を過ごし、会社員としても精力的に働いていたことが窺える矢口。なぜこのような凶行に走ってしまったのか。県警の“執念の捜査”はまだ続きそうだ。
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