2/2ページ目
この記事を1ページ目から読む
「お前とは離婚するから」
「息子たちが就職したら、お前とは離婚するから」
それでショックを受けた千尋は、他の女に取られるぐらいなら博さんを殺して自分も死のうと決断。睡眠薬入りの栄養ドリンクを飲ませて、「いきなり別れるくらいなら、一緒に死んで!」と叫びながら、柳刃包丁を首に突き刺した。
博さんの反撃を受けると、別の包丁で背中を滅多刺し。自分の腹にも包丁を突き刺し、死のうとしたが死に切れなかったので、自ら110番通報した。
千尋は殺人罪で裁かれ、懲役11年を言い渡された。服役中に抑うつと診断され、投薬治療を行うようになった。
42歳で仮出所すると、地元から遠く離れた更生保護施設に入った。誰にも前科を知られてはいけないという緊迫感の中で過ごし、入所者とのトラブルから、精神科病院に入院したこともあった。千尋は境界性パーソナリティ障害と双極性障害と診断された。
それでも5カ月後には一人暮らしを始め、リラクゼーションマッサージの仕事を見つけた。金髪にして、ブランド物を身に着けるようになった。そんなときに知り合ったのが近所に住む田中静雄さん(当時61)だった。
田中さんは既婚者だったが、「仮面夫婦で、家庭内別居中なんだ。だから、自由に過ごせる」などと話した。2人はドライブや食事に行く関係になり、知り合って4カ月後には肉体関係を持った。
