事件発生後に容疑者の姿を目撃

 大木が一体何を行っていたのかは不明だが、その奇妙な行動から1カ月も経たない12月28日に犯行は行われたとみられる。前出・社会部記者が続ける。

「大木は1月中旬ごろに行方不明になり、家族が行方不明者届を提出したため、府警が行方を捜索していた。今月2日、和歌山県警から県内の路上を長時間うろついている者がいるとの通報があり、大木を保護したとの連絡が府警にあった。駆け付けた府警の捜査員が大木に任意で事情聴取したところ、事件の関与を認めた」

 前出のマンション住民は1月9日前後、つまり事件発生後に大木の姿を目撃したという。

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「1月8日くらいから警察がマンションに来て、住民への聞き込みとマンション内で防犯カメラのチェックをやっていました。11、12月は嫌なほど会っていたのに、1月になってから容疑者をパタッと見なくなったんですが、1回だけ1月に見かけましたね。1月9日か10日のお昼くらいだったかな、容疑者とエレベーターで一緒になったんです。警察がバタバタ出入りしていましたが、それを横目に普通にマンションを出て行きましたよ」

遺体発見現場の山中 ©文藝春秋

 警察は現在、被害者の身元の特定を急いでいる。前出とは別の社会部記者が説明する。

「被害者は、解剖の結果、身長は135センチから145センチほどの男性で、年齢は40代から50代。12月下旬に死亡した後に切断されたとみられています。周囲に争った形跡はなく、所持品も発見されなかった」