シャワーを浴びているときに思いついた「ピチカート・ファイヴ」
おぐら テープの中身、収録されている曲は同じだったんですか?
小西 中身は一緒です。
速水 その当時、バンドなり、グループをやりたいという意識はなかった?
小西 なかったですね。
おぐら 作曲だけでなく、作詞もしていたんですか?
小西 最初から作詞もしてました。
速水 バート・バカラックやロジャー・ニコルスのような仕事を意識されていた?
小西 ズバリ言うと、筒美京平さんのような仕事をしたかったんです。
速水 シンガーソングライターではなく、職業作家を。
小西 そうです。
おぐら ちなみに、筒美京平さんも青学の出身ですね。
速水 それがなぜ、ご自身もメンバーとして参加するピチカート・ファイヴに?
小西 野宮真貴さんのいたポータブル・ロックというバンドが、鈴木慶一さんのやっていた「水族館レーベル」にいましてね。以前からポータブル・ロックのメンバー2人は知り合いだったんですけど、ある人がその「水族館レーベル」のコンピレーションアルバムの第3弾に入れる候補として、僕たちの曲を推薦してくれると。それならバンドのほうがいいかなと思って、その日に思いついて付けたバンド名が「ピチカート・ファイヴ」でした。
速水 意味とか、思いついた経緯というのは?
小西 特になくて、シャワーを浴びているときにパッと。
おぐら 最初、ファイヴの表記はⅤ(5)でしたよね?
小西 その時はメンバーが5人いたんですよ。
速水 じゃあ、そのコンピレーションアルバムがきっかけで、5人組のバンドとして活動することに?
小西 そのはずだったんですけど、メンバーの一1人が新しくできた彼女と駆け落ちしちゃって。
おぐら それは仕方ない。若者にとって、新しい彼女は人生の最優先事項ですよ。
速水 バンド自体は、学生時代からやっていたんですか?
小西 大学に入ってからですね。でも、なんか向いてないなって思ってました。大学の音楽サークルでも、いつも一緒にいたいみたいに思う友人はいなかったし。まぁ少しはいましたけど。