2024年4月、北海道旭川市で女子高生が橋から転落させられ殺害された事件で、殺人などの罪で起訴された内田梨瑚被告(22)と小西優花被告(20)。内田被告から“舎弟”と呼ばれていた小西被告の初公判が、きょう2月27日から行われる。
凄惨な犯行の背景には、一体何があったのか。逮捕時に被告らの生い立ち、被害者との関係性に迫った「週刊文春」の記事を再公開する。
19歳だった小西被告は逮捕時は匿名で報道され、本記事でも「A子」と表記。改正少年法で起訴後の実名報道が可能な「特定少年」に当たり、起訴された2024年8月に地検が氏名などを公表している。
(初出:「文春オンライン」2024年6月15日。年齢、肩書は当時のまま)
◇◇◇
「事件が起きて、息子から『開いた口が塞がらない』とLINEが来ていました……」
殺害された村山月さん(むらやまるな、17)の中学の同級生の父親は、そう呟き肩を落としたーー。
わいせつ行為を行い、命を奪った
2024年6月12日、殺人の容疑で北海道警に再逮捕されたのは旭川市の無職・内田梨瑚容疑者(21)とA子容疑者(19)。社会部記者が解説する。
「4月19日、両容疑者は旭川市の渓谷『神居古潭(かむいこたん)』の神居大橋から村山さんを10メートル下の石狩川に突き落とし、溺死させた疑いがもたれている。22日、村山さんが帰らないことを心配した家族が行方不明者届を提出。5月下旬に下流で遺体となって発見された」
内田と村山さんに面識はなく、犯行直前に初めて対面。村山さんが住んでいた留萌市から約60キロ離れた旭川市に車で連れまわした。道中寄ったコンビニで逃げようとした村山さんに暴行を加え、他の16歳のB、C子らと共謀して監禁。内田を筆頭としたグループで村山さんにわいせつ行為を行い、挙げ句の果て、命を奪ったのである。
その後、内田らは村山さんの衣類を現場付近に捨て、複数の友人に「村山さんに謝らせて、その後本人は帰って行った」などとメッセージを送り、隠蔽工作を図ったとみられている。