そのあと立花氏は「竹内氏は逮捕予定だった」などと発信。数日後の記者会見では知事に対して立花氏に発信を「やめるよう言うべきではないか」との記者の質問が相次いだが、斎藤知事は25回以上、「SNSによる心ない誹謗中傷は決して許されない」などと一般論に終始。
告発者潰しと同時に論点ずらしである
2月1日の読売新聞は、SNS上で拡散された「竹内氏は逮捕予定だった」との情報を、1月20日の県議会で「事実無根」と指摘した村井紀之・県警本部長のインタビューを載せた。警察が個別の案件に言及した異例の対応については「(拡散が続けば)社会にとって不利益だと考えた」という。でもこれは本来なら斎藤知事が呼びかけることだ。なぜか静観していた知事。
すると今回、遂に本心をあらわした。亡くなった告発者をおとしめるような発言を繰り返した。告発を握りつぶすために「私的文書」を利用しようとする行為は「どうしようもなく卑劣」と文春は昨夏に書いたが、知事自らがその行為を堂々としたことになる。
これは告発者潰しと同時に論点ずらしであることにも注目したい。やはりマズいという自覚があるからか、興味深いのは百条委員会そのものを否定する言動もあることだ。片山元副知事や増山県議らは「不公正な委員会運営」「百条委員会は中立性、客観性が損なわれている」などとコメントしている。
しかしその百条委員会で告発者の私的文書をわざわざ取り上げ、真偽不明の内容を流出させようと懸命だったのは誰だったのか。百条委員会を利用できるときはして、結果が意に添わなければ否定するのは幼稚な振舞いだ。
論調に違いがある新聞各紙が今回は揃って社説で斎藤知事を批判した。日経新聞は「知事は百条委報告に向き合え」とタイトルにし、読売新聞は「告発者を貶め、公益通報制度を蔑ろにする行為が許されないのは当然である」と冒頭に書き、朝日新聞は「改めて問う。斎藤氏は知事の資質を欠いているのではないか」と締めていた。
でもやっぱり「オールドメディア」が言ってることだから無意味なの?
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