――その後、実際に安倍元首相サイドと交渉をしたのは梶栗さんなのですか。
梶栗 出演交渉の主体となったのは(米国の)UPF本部とワシントン・タイムズ社(共和党支持を前面に押し出す保守派の旧統一教会系の日刊紙)です。私たちが関わったのは窓口となる安倍事務所の連絡先を伝えるといった程度。おそらくニューヨークの本部は、安倍先生へオファーする前にトランプさんの登壇を決めていたのだと思います。
出演が決まったという(UPF本部からの)公式の返答を受けて、日本にいる私たちは9月上旬に行われることになったビデオメッセージ収録を担当することになりました。アメリカからスタッフが派遣されることはなく、私たちで撮影クルーの手配もしました。
撮影は知人オフィスで1時間弱
――日時や撮影場所は?
梶栗 それは勘弁してください。安倍先生の日程は詰まっていますから、すべて先生のご都合に合わせました。うーん、申し上げられる範囲で言えば、2021年9月上旬、東京都内にある私の知人のオフィスです。こちらはクルーも含めて私たち数人で臨み、安倍先生も秘書の方を連れてくることなく、ご本人と、SPが1人だけ付いてきました。
時間にして10分ほどのスピーチでした。(話の内容としては)2021年の東京オリンピックが無事に終わったというタイミングだったので、史上初の無観客開催にもかかわらず、無事に終了したこと、情熱を燃やして記録に挑戦したアスリートたちの姿が感動的だったこと、東京で開催ができたことを世界の皆さんに感謝したいという話が主たるものでした。
確かに「韓鶴子総裁をはじめ、皆様に敬意を表します」「家庭の価値を強調する点を高く評価いたします」という話もしていただきました。が、文脈としては世界的な平和秩序構築のため努力をしてきた立場に敬意を表するという表現でした。教団の教理を評価するという話ではないのです。
あとは撮影後にお茶を飲みながら、軽く雑談をして解散となりました。滞在時間はすべてあわせて、1時間弱でした。(文中敬称略)
※4時間半にわたるインタビューの全文(約20,000字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」(梶栗正義「統一教会と自民党 すべてを知る男の告白」)、及び「文藝春秋」2025年4月号に掲載されている。
全文では下記の内容をご覧いただけます。

出典元

【文藝春秋 目次】安倍元首相暗殺のキーマンが登場!驚愕のスクープ・インタビュー 統一教会と自民党 すべてを知る男の告白/尹徳敏×武田良太 尹大統領を擁護する/脳を守る 世界標準の認知症予防法
2025年4月号
2025年3月9日 発売
1200円(税込)