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姉の部屋は「自分でなんとかする」
丸2日かけて大量のゴミと荷物を処分し、高畠家の大掃除は終了。ただ、実家に住み続ける3歳上の姉の部屋に関しては「自分でなんとかする」と言うため、手つかずだという。
「まだ『自分でなんとかする』と言っていることに驚きました。姉の部屋が気がかりですが、とりあえずリビングの床が見えてホッとしました」
母の病をきっかけに、実家の環境が大きく変わってしまった高畠さん。彼は「自分と同じような思いをする人を少しでも減らしたい」と話す。
「忌引きを終えて仕事に復帰したとき、上司や同僚は僕が父を亡くしたことに対して『大変だったね』と声をかけてくれましたが、実際に大変だったのは葬儀後の大掃除。故人を偲ぶ時間もないまま、心を“無”にして両親のモノを捨てなければならない状況は、今もトラウマになっています。親は、自分が元気なうちに断捨離をして少しでも持ち物を減らし、子どもは親の断捨離を手伝う。それが、高齢になった親と子の理想的な関係なのかもしれません」
実家がゴミ屋敷になる理由は十人十色。しかし、誰しも直面する可能性がある、とても身近な問題なのだ。
