“半歩先の未来”が人材を惹きつける
フルリモートワークが一般的なAI業界では珍しい取り組みですが、それでもなぜ、引く手あまたのメジャーリーガーが来てくれるのか。それは、我々が他の企業にはないビジョンを掲げているからです。多くの企業は現在の通説を少しだけ改善することや、あるいは何十歩も先の未来を見据えようとしますが、それでは真の意味でのイノベーションを起こすことは困難です。我々はより現実的な「半歩先の未来」を描き、ビジョンを策定しています。
実際、昨年3月、我々はオープンソースのモデルが急速に普及する時代の到来を予見し、複数のAIモデルを少しずつ組み合わせて性能を高めていく「進化的モデルマージ」という手法を提案しました。さらに昨年8月には、今後は単なるチャットGPTの活用に留まらず、大規模言語モデルを駆使して科学研究に代表される人間の知的活動プロセス全体を自動化するAIエージェントの時代が来ると見込み、「AIサイエンティスト」という革新的なシステムを打ち出しました。エンジニアたちに「なぜグーグルやオープンAIを辞めてSakana AIにきたの?」と聞くと、なかには「寿司が好きだから」と答える人もいますが(笑)、多くがSakana AIの「ビジョン(予言)が面白い、そしてその予言が当たるから」と答えます。これが、Sakana AIにメジャーリーガーが集まる最大の理由なのです。
※この記事の全文(約4800字)は月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2025年4月号に掲載されています(伊藤錬「サカナAIには『変わった人』がほしい」)。
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