約15年前に引っ越してきて…

 住民らによると、岩瀬親子は今から約15年前、現在の借家に引っ越してきたという。

「空き家だった家を借り、最初は浩一郎さんのお母さんと浩一郎さん、長男の龍彦さんの3人で住んでいた。5年ほど前かな、浩一郎さんのお母さんが亡くなって、ご自宅で葬儀をあげていました」(別の住民)

遺体が見つかった長浜市内にある岩瀬親子の自宅 ©︎文藝春秋

 3人がこの借家に引っ越してきた経緯を、岩瀬親子の親族の男性が語る。

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「浩一郎はもともと(借家のある長浜市の)この町内の出身。高卒で働きに出て、長いこと大阪におった。でも大阪で何か失敗したとかで、もう20年以上前かな、また地元に帰って来て、少しの間父親から相続した実家に住んどったね。でもそのときは借金まみれで、相続した家も土地も売ってしまい、手ごろな貸家に引っ越した」

 浩一郎容疑者が、200坪ほどの広さを誇る実家を売ったのは2007年。売却に至るまでには、消費者金融に対して実家を担保に上限を560万円とする借入の契約をするなど、経済的な困窮ぶりがうかがえる。

 貸家に移り住み、周囲との交流も少なに暮らすこと15年余。近隣住民はここ数年、浩一郎容疑者の暮らしぶりをめぐって、ある“異変”を感じ取っていたという。