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あの西城秀樹さんも 一人暮らしで脳梗塞を発症した場合の対処法

最近では、40~50代の「働き盛り世代」の診断が目立つ

2018/06/23

いかに“緊急事態”を伝えるか

 ここで重要な問題がある。発症時、近くに誰かがいるか否か――という点だ。家族や同居人の前で症状が出たのならば、迅速な対応も可能だろう。しかし、一人暮らしの人はどうなるのか。

 すでに触れた通り、麻痺の中には「言語障害」がある。言葉が出なかったり、ろれつが回らない状況で、救急要請は可能なのか。東京消防庁に訊ねた。

「119番通報を受信した指令室では、通報者が何らかの理由で喋れない、と判断した時には、“こちらの質問に対して受話器をたたく”などの対応を誘導し、住所や状況を特定する方法を取ります」

 言語障害があっても、声は出せる可能性はある。まずは119番に電話をして、「あー」でも「うー」でも構わないから緊急事態であることを訴える。それが伝われば、助かる可能性はあるのだ。

固定電話の方が発信地のエリアを特定しやすい ©iStock.com

119番通報はFAXでも要請できる

 昨年の119番通報は、固定電話からと携帯電話からの発信がほぼ同数だった。

「固定電話からの通報の場合、発信者情報が表示されるので住所を特定できます。一方、携帯電話からだと、GPS機能から位置情報が表示されるものの、電波状態によっては正確に表示されないケースもあるので、固定電話と比べると詳細な場所の特定がしにくい。固定と携帯の二つの電話がある場合は、固定電話のほうが有利です」

 ちなみに、意外に知られていないが、119番通報はFAXでもできる。言語障害はあっても手が動かせるなら、FAXで救急車を呼ぶことが可能なのだ。FAXを持っている人は、あらかじめ自分の住所と氏名、それに「急病につき救急搬送を要請する」と書いた紙を用意しておくと安心感は高まる。

「脳の中の梗塞が起きた場所によっては、物事の理解ができなくなることもあり、そうなると電話での通報は難しくなる。でも、少なくとも自分で脳梗塞の可能性を理解できたのなら、決して簡単なことではないが119番通報を試みてほしい。受話器を外して、“119”と押しさえすれば、道は開けます」(中原医師)

©iStock.com

「高齢者の病気」ではない

 脳梗塞というと、「高齢者の病気」というイメージを持つ人は多いだろう。確かに60歳を超えて高齢になるほどリスクは高まるが、若い世代でも起きないことはない。

「最近の傾向として40~50代の働き盛り世代で脳梗塞と診断されるケースが目立つし、10代や20代で発症することだってある。特に高血圧や糖尿病、高脂血症などを基礎疾患に持つ人は、若さだけを理由に安心することはできません」(中原医師)

 万一の時には、「まずは電話」「とにかく電話」、そして「あきらめない」ということを、覚えておいてください。

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