iPad miniと比較してみると……

 さて今回のテーマとなるのは、これら2製品のどちらが優れているかではなく、iPad miniと比べた場合に機能や性能をカバーできるかどうかです。いくつかのポイントに絞って違いを見ていきましょう。

 まずはサイズと重量です。画面サイズだけ見ると、レノボ製品は9型、シャオミ製品は8.7型と、8.3型のiPad miniよりひとまわり大きいのですが、iPad miniに比べると画面・ボディともに縦に長く、電子書籍のように比率が決まったコンテンツだと、大きくなるのは余白だけで、表示サイズという点ではあまりメリットがありません。

 この辺りは、見かけの画面サイズの数値だけを見ていると、大きく表示できるように勘違いしやすいので気をつけたいところです。ただし、動画のようにもともとワイドサイズのコンテンツを表示する場合は、むしろフィット感が高くなる点はメリットです。そのため、2種のタブレットはどちらかというと動画向きといっていいでしょう。

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 重量はiPad miniが293グラム。300グラムの大台を割っているのに対して、レノボ製品は344グラム、シャオミ製品は373グラムと、かなりの差があります。電子書籍のように、手に長時間持ったまま宙に浮かせておく使い方であれば、疲れに直結します。これについてはiPad miniの“圧勝”といって良いでしょう。

左がiPad mini、右がシャオミ製品。画面が縦長な分、電子書籍では上下にムダな余白が生じがちで、ページ自体のサイズはほとんど変わりません。レノボ製品でもこうした傾向は同様です
ただし、動画のようにもともとワイドサイズのコンテンツを表示する場合は、iPad mini(上)よりも黒帯が狭くなるため高い没入感が得られます。これら特徴はレノボ製品にも共通しています

 人によって最大のポイントになりうるのが、画質の差です。レノボ製品とシャオミ製品は解像度がいずれも1340×800ドット(173ppi/180ppi)で、2266×1488ドット(326ppi)のiPad miniと比べると表示はどうしても粗くなります。電子書籍などで高精細な表示をしたい場合に、線が滑らかなiPad miniと比べて、レノボ製品とシャオミ製品はギザギザが目立つこともしばしばです。

『文春オンライン』トップページを表示した場合の画質の差。左からiPad mini(326ppi)、レノボ製品(173ppi)、シャオミ製品(180ppi)。200ppiを切っている両製品では細かい字が読めないことも

 さらに気になるのはパフォーマンスの差です。レノボ製品、シャオミ製品とも通常利用においては支障はありませんが、アプリの切り替えにやや間があったり、起動で待たされたり、スクロールでカクつくなどの症状は少なからずあります。ベンチマークスコアでは大差がついていることからも、差は明らかです。

ベンチマークアプリ「Octane 2.0」での各製品のスコア。左からiPad mini、レノボ製品、シャオミ製品。おおむね数倍の開きがあります
 ベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」によるスコア差。こちらもやはり数倍の差があります。実売価格の差とほぼ比例しているのが興味深いところ

 用途でいうと、3DゲームもひとまずこなせるiPad miniに対し、レノボ製品とシャオミ製品はせいぜい動画再生止まりといったところでしょうか。このあたりはやはり価格の差を感じる部分です。