生産段階ごとの利益率の違いを示した「スマイルカーブ」というイメージ図があります。
スマイルカーブとは?
典型的な製品であれば、利益率は、「上流」(設計や技術)と「下流」(流通や販売)が最も高くなります。最終製品を作っていた日本の産業は、伝統的に「バリューチェーン」全体を国内で完結させてきました。
しかし2000年代以降、バリューチェーンの特に組み立て段階で、グローバルな競争が起き、日本は人件費や製造コストの面で、韓国、台湾、中国、東南アジア諸国などに勝てなくなった。組み立ても自社でおこなっていた日本企業はもはや利益を出せなくなってしまったのです。
これに対してジャパン・インサイドの戦略を採る日本企業は、素材や生産設備、そして部品の分野で強みを発揮しています。消費者向けの最終製品の組み立ては、一般的にスマイルカーブの「底」となり、利益率は最も低くなりますが、「BtoB産業」の特殊な製品は必ずしもそうではない。だから利益率が高いのです。
※本記事の全文(約7500字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と、「文藝春秋」2025年6月号に掲載されています(ウリケ・シェーデ「BtoBダントツの日本企業」)。全文では下記の内容をお読みいただけます。
・米国基準の悲観論
・「スピード」より「安定」を選択
・「経済複雑性」ランキング
・「集合ニッチ」戦略
・日本は化学分野でなぜ強い?
・「安全第一」の日本の消費者
