――もともとグラビアはお好きだったんですか?
紗世 学生時代は格闘技を長くやっていたので、おしゃれとか、女性らしい仕事にずっと憧れはありましたね。
――格闘技とは意外です! 格闘技はどんなものを?
紗世 柔道です。本気で取り組んでいて、大会で上位に入賞することもありました。
――今とは全然違う雰囲気だったんですね。
紗世 当時はショートカットで、筋肉質な体型でしたから、見た目はどちらかというと男の子っぽかったんです。当時は、いくら食べてもなかなか太れなかったんですが、競技をやめた途端、筋肉が落ちて体重が60kgを超え、一気にふっくらとして、女性らしい体つきになったんです。
それで、「よし、これからは“なりたい女性”を目指そう」と思い、髪を伸ばし始めました(笑)。
――ちなみに、柔道をやめたきっかけは?
紗世 沢山の稽古をして、どれだけ努力しても、生まれ持ったセンスのある方には敵わない。そう感じていた矢先に、鎖骨を複雑骨折してしまって。それが決定的なきっかけとなり、柔道の道は諦めることにしました。
求められる“理想のイメージ”に合わせるのに限界を感じた
――Instagramでは骨格がコンプレックスだと書かれていましたが、柔道が影響しているところも?
紗世 きっと影響していると思います。長年体を鍛えていたこともあって、骨格がしっかりしているんです。
日本でグラビアアイドルとして活動するなかで、求められる“理想のイメージ”と自分の体型がなかなか合わないと感じることが多くて……。
――日本の男性がグラビアアイドルに求めるものとは?
紗世 そうですね、柔らかくてふんわりとした愛らしい雰囲気があって、守ってあげたくなるような儚さを感じさせつつ、スタイルとしては胸の大きい方がとても人気がありますよね。
――体は華奢だけど、胸だけは大きいスタイルですね。
紗世 まさにそうです。だからこそ、自分にはその要素がほとんどないにもかかわらず、日本のグラビアで求めめられる女性像に無理に合わせようとしていました。でも、実際の自分とは異なるイメージに寄せようとすることに、やはり限界があると感じました。
――ダイエットとかでは変えようがない部分もありますよね。
紗世 そうなんです。撮影の際には、少しでも肩幅が目立たないように、体の向きやポージングに工夫を重ねていました。ただ、それにも限界があって……(笑)。
正直なところ、本当に良いお仕事というのは、そうした工夫をしなくても人気な子に回っていくことが多くて。私が心からやりたいと願っていたようなお仕事に巡り合う機会は、多くはありませんでした。
――紗世さんが「やりたい仕事」とはどんなものだった?
紗世 20代前半は、やっぱり爽やかに海とか太陽の下で撮影したかったですね。

