日本を動かす官僚の街・霞が関から“マル秘”情報をお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「霞が関コンフィデンシャル」。最新号から、ダイジェストで紹介します。

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ハーバードで学んだことを武器に財界人に接触

 赤澤亮正氏の訪米後、日米関税協議に向けて奔走しているのは、首相秘書官や外務省も同様である。

 政務秘書官の槌道明宏(昭和60年、旧防衛庁)、吉村麻央両氏の存在感が乏しい中、注目を集めるのは、経産省出身の井上博雄秘書官(平成6年、旧通産省)である。若手時代から「イケメン官僚」として鳴らし、次官への登竜門とされる官房総務課長を経験。経産省の飯田祐二次官の側近としても知られる。

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トランプ関税への対応を巡って、官僚が奔走している ©JMPA

「財務省や外務省は時の首相の実力や党内の地位を見ながら秘書官を決めるが、経産省はわずかな例外を除き、次官レースの先頭を走る人材を出す」(次官経験者)とされる。林芳正官房長官や自民党の茂木敏充前幹事長らと同様、ハーバード大ケネディスクールで学んだことも武器として財界人らと接触を重ね、首相の意向を経済界に直接伝える役割を担う。

若手時代から「イケメン官僚」として鳴らしてきた首相秘書官の井上博雄氏 ©時事通信社

 日米交渉の最大のカギは民間の対米投資自主計画だから責任は重い。「経産省が自動車メーカーなどから計画を集めるだろうが、米側が納得するような内容にするためには、総理の意向を背景にした井上氏の“天の声”が重要ではないか」(財務省幹部)と期待が集まる。 

この続きでは、赤澤亮正氏の訪米の余波をさらに掘り下げています》

※本記事の全文(約5500文字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2025年6月号に掲載されています(霞が関コンフィデンシャル)。全文では、下記の内容をお読みいただけます。

 

★新川次官続投のけじめ

新川浩嗣氏は安倍晋三政権、宇波弘貴氏は岸田文雄政権でそれぞれ首相秘書官に就任。官房長を経て主計局長に就いた。宇波氏が「次の次官」であることは…

★「赤澤訪米」の余波

文字通り、世界の耳目を集めたのが4月16日に行われた赤澤亮正経済再生担当相とドナルド・トランプ米大統領の…

★NHKの“品質保証”

古賀信行経営委員会委員長は周囲にこんな本音を漏らしていた。「ハッキリ言って、経営委員会では、理事の“品質保証”は…

出典元

文藝春秋

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