斉藤さんの活躍ぶりのなかで、とくに筆者が驚いたのは、主婦層もターゲット層となっている番組に、普通にゲスト出演していること。

 昨年はお昼の生放送バラエティ番組『ぽかぽか』(フジテレビ系)にゲスト出演し、デビュー当時の思い出話などに花を咲かせていました。今年は2月と3月にお昼の生放送バラエティ番組『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)のお買い物企画(ロケ収録)に出演。5月17日にも、土曜朝の生放送情報番組『サタデープラス』(TBS系)にゲストとしてスタジオ出演しています。

急増する“ダメ母”需要

 それ以上に本業の役者業も好調で、しかもその演じる役柄がけっこう攻めているのです。

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 たとえば、2019年に主要キャストの1人としてレギュラー出演した『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系)では、不倫などのスキャンダル専門の法律事務所の事務員で、バツイチ子持ちという女性を演じていました。

 また近年は主人公や準主人公の母親役に起用されるケースが非常に多いのですが、そのなかでも目を引くのが“ダメ母”役なのです。

 2022年の『恋なんて、本気でやってどうするの?』(フジテレビ系)では、主人公の恋の相手である青年の母親役。青年に迷惑をかけるいわゆる“毒親”で、包丁を振り回しながら取り乱すシーンを怪演していました。

『恋なんて本気でやってどうするの』公式Xより。柊磨(松村北斗)の母・真弓を演じた

 2023年の『いちばんすきな花』(フジテレビ系)では、主人公女性の母親役。愛情過多ゆえに過干渉で、“女の子らしさ”を強要して主人公をゆるやかに苦しめているという役どころでした。

 2024年の『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系)でも主人公の母親役で、この作品では主人公との関係は良好でしたが、クズ男ばかりにハマってしまうというキャラクターだったのです。

『あのクズを殴ってやりたいんだ』公式Xより。佐藤ほこ美(奈緒)の母親で、付き合う男性はクズばかりという明美を演じた

 現在放送中の『天久鷹央の推理カルテ』(テレビ朝日系)の第2話にゲスト出演した際は、患者女性の母親役でしたが、娘を心配するよき母をめずらしく演じていたため、筆者としては逆に驚かされたほどでした。

 ある意味では過去のスキャンダルを想起させるとも言える役柄のオファーが絶えず、そしてその依頼をきちんと受けて、演じ切っているということ。

 現在の斉藤由貴さんは、俳優としては“ダメ母”役の第一人者というポジションを確立するという唯一無二の芸能人生を送っているといえるのではないでしょうか。

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