『花ざかりの君たちへ』で披露した“男装”が話題に

 堀北の魅力はその美しさだけではなく、上述のエピソードに代表されるような、芯の通った強さや“オトコマエ”な性格ではないだろうか。

 堀北がヒロイン役や主役を務め活躍していた2000年代後半から2010年代前半は、何人かの男性が同じヒロインに恋をする王道少女マンガのような展開のドラマや映画が数多く製作されていた。

堀北真希 ©文藝春秋

 堀北の代表作である『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』もそのひとつ。堀北が演じた芦屋瑞稀はひょんなことから、性別を偽って男子校へ入学。瑞稀は自分が女性であるとバレないように、やや乱暴な口調で話していた。

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 このような設定だからもちろん周りはほとんどが男性キャストで、共演には小栗旬、生田斗真、水嶋ヒロ、岡田将生ら当時の売れっ子や今でも第一線で活躍している人たちも。しかし、堀北の存在感は彼らに負けておらず、時には笑い合い、時には張り合いながら対等なかたちで学園生活を送る様子にワクワクさせられた。

 さらに、この作品では特に、瑞稀と佐野(小栗旬)、中津(生田斗真)の複雑な恋模様も見どころ。女性であることがバレてはいけないのに、加速していく恋心を抑えることができなくなってしまう瑞稀の姿は、まさに“恋する女子”。今でいうジェンダーレスでカッコいい瑞稀とかわいらしい瑞稀のギャップに、見ているこちらも恋に落ちてしまいそうだった。