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オラ、大人になりたいから!
大人になって、おねいさんみたいなきれいなおねいさんと
いっぱいおつきあいしたいから!
(『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』)
傑作『オトナ帝国の逆襲』より。日本を“懐かしさ”で支配しようとするイエスタデイ・ワンスモアの野望を阻止する野原一家。首領ケンの恋人・チャコはしんのすけに「現実の未来なんて醜いだけなのに!」と怒りをぶつけるが、5歳のしんのすけは「きれいなおねいさんといっぱいおつきあいしたい」という自分の未来を信じている。
未来は子どもたちのものなのに、大人が勝手に絶望していちゃいけないのだろう。未来を醜いものにするかどうかは今を生きる1人ひとりにかかっている。
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お前の未来は、お前のもんだぞ。好きなように生きろ!
(『映画クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁』)
ディストピアと化した未来世界を舞台にした映画版より。これは劇中に登場した大人になったしんのすけが、5歳のしんのすけに言い残したメッセージ。今を生きるすべての子どもたちへのメッセージにも聞こえる。
子どもの未来は親のものでもなければ、国や会社のものでもない。あくまでもその子自身のものだ。当たり前のことを当たり前に、高らかに言ってみせるのがしんのすけであり、『クレヨンしんちゃん』という作品なのだ。
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ま、人生いろいろありますなァ。
くじけず、くさらず、前向きに生きていきましょう~。
(TVシリーズ「お外でアソブとあったかいゾ」)
こわいもの知らずでおバカで元気、マイペースで生意気でお下品で家族ときれいなおねいさんが大好きなのが、野原しんのすけという男の子だ。日本中、いや世界中の子どもたちが、この“嵐を呼ぶ5歳児”から元気をもらってきた。大人だって、たまには童心に帰って“しんのすけスピリット”を浴びてみるのもいいんじゃないだろうか。
しんちゃん、これからも変わらずおバカでいてください。