相手よりも自分の気持ちを優先していないか?

 そんなミナミとアツシのやりとりを通して伝わってくるのは、「相手の言葉に耳を傾ける大切さ」である。

「交際当時は『アツシと食べるご飯は美味しい』と思っていたミナミの気持ちは、結婚して子育てが忙しくなるにつれ、『どうせお腹のなかに入ってしまえば同じ』に変化していきました。ミナミはミナミで、3人の子育てで手一杯で『食事を楽しみたい』というアツシの価値観に付き合っていける余裕がなかったんです。けれど、何度も訴えてきたアツシの『想い』にミナミが少しでも耳を傾けていれば、『離婚』のような大事にはならずに済んだかもしれません。

 夫婦生活の継続によって、相手の言葉の重さが変わっていくことがあります。男女問わず、自分の主張を正義とし、相手の主張を正面から受け止められなくなってしまうのです。交際期間や新婚当初はあれだけしっかりと受け止めることができていた相手の言葉が、生活を共にしていくことで『日常』になり過ぎて、相手よりも自分の気持ちを優先してしまう傾向が強くなってしまうんですよね」(同前)

ADVERTISEMENT

ミナミとアツシは離婚してしまうのか……

 夫婦関係に限らず、人間関係ではしばしば起きてしまう大きなエラーが描かれているからこそ、共感する人が多かったのだろう。子育て中の女性をメイン読者とする「ママスタセレクト」だが、『妻の飯がマズくて離婚したい』には独身女性や男性からの反響も寄せられたという。

「自分の子ども時代のころを思い返しながら読んでいる読者も多かったように思います。もし、自分や自分の周りでこういうことが起きたら、どうするだろう……そんなふうに読み進めていただけるとうれしいです。『ここが共感できるな』『ここは全然わからないな』『こういうことってあるよな』『こういう人っているよな』などなど、友達の話を聞くように楽しんでもらえればと思っています。

 ママスタセレクトでは、さまざまなママの悩みに向き合うコンテンツを毎日掲載しています。最近も、「30kg増でリコン!?」という作品に大きな反響が寄せられました。本作を読んで共感できるところがあれば、ぜひサイトにも遊びに来ていただけるとうれしいです」(同前)

次の記事に続く 「なにこれ…?」帰宅した夫の財布から高級レストランのレシートが…妻に内緒で1万2000円のディナーを食べた“衝撃の理由”とは