釈放された2日後には「女性DJの自宅前」に…

 釈放されてから2日後の同月20日午後11時前。女はDJの自宅前にいた。あまりの騒ぎにDJがチェーン越しにドアをあけると、そこには鬼の形相の女がいた。そして、「よくもやってくれたな、殺したる」と言って怒鳴り散らしたという。恐れをなしたDJが通報し、駆け付けた警察官に女は取り押さえられた。

写真はイメージ ©getty

 DJが告訴したことが許せなかったのだと、女は話した。しかし、なぜ女は自宅の住所を知っていたのか。実は最初の逮捕の際、調書を盗み見たのだという。そこで、被害者のDJの自宅住所を目にし、釈放されるや否や女はお礼参りへと行動を移したのだ。台風23号が大阪を直撃した夜だった。暴風雨の中、それよりも大暴れする女に、DJは恐怖のあまり泣くしかできなかったという。

 ダンススタジオに押しかけられたことでダンス教室は閉鎖、そして突き止められた自宅には、たとえ女が逮捕されたとしてもお礼参りに一度来られた以上、住み続ける勇気もなかった。さらにDJを苦しめたのは、「女性同士」であることだったという。加害者が女性だということで、周囲に恐怖をあまりわかってもらえなかったのだ。

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 判決を法廷の傍聴席で聞いていたDJは言った。

「この辛さを社会にわかってもらい、被害者が守られるシステムを作ってほしい」

 家も仕事も、平穏な日常さえも失った被害者の女性DJと、たった1年足らずで社会復帰するもともと無職の女。あまりに理不尽な結末だった。

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