毎年のように俳優やアーティストがドラッグで逮捕される芸能界。一体、何が起きているのか。長年、薬物取材を手がけてきた「週刊文春」エース記者が紐解く芸能界の薬物汚染の実態。第6回は、捜査の末に逮捕されなかった大物ミュージシャンのE。(初回は#1へ)

「コカインの陽性反応が出ました」

 2018年4月9日、捜査員らは鑑定部門からあがった報告によって、にわかに色めきたった。捜査当局にチャック付きビニール袋に詰められた数々の物的証拠が届けられたのは、約2カ月前のことだ。

関係者が証拠品を捜査当局に持ち込んだ

〈被疑者Eに対する麻薬及び向精神薬取締法違反被疑事件につき、平成30年2月1日、本職は、下記目録の物件を押収したので、この目録を交付します〉

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「押収品目録交付書」に羅列されていたのは、マスク1枚、ペットボトル1本、黒色ニット1枚、パンツ1枚、Tシャツ1枚、毛髪少量、歯ブラシ1本――。この日、それらの押収品のうち、パンツ1枚と黒のニット1枚からコカインの陽性反応が検出されたというのだ。

 被疑者の名前は、大物ミュージシャンのE氏である。

 1990年代に一世を風靡し、一大ムーブメントを巻き起こした時代の寵児だが、常に毀誉褒貶が付き纏う。上記の押収品は、E氏のコカイン使用を疑う関係者が知人を介し、匿名で捜査当局に持ち込んだものである。

紙幣などを使って吸引されるケースもあるコカイン ©︎fotoco

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