安倍首相とトランプの関係は……

 第三の「R」は「リスペクト(Respect)」です。

 トランプ氏にとって、外国の指導者が自分をどれだけ丁重に扱うかが、その国が米国をどれだけ尊重しているかを測る最大の基準になります。私が政権にいた1期目では、安倍晋三首相が、この「リスペクト」を感じさせる術を完璧に体得している姿を何度も目にしました。

ポッティンジャー氏 ©文藝春秋

 安倍首相は、トランプ氏と頻繁にゴルフを共にし、とくに用件がなくても電話や手紙で連絡を取り続けていました。こうした対応により、安倍首相は他のどの首脳よりトランプ氏へのアクセスを確保できていました。両者の任期が重なっていた約4年間に、電話会談37回、会談15回、ゴルフ5回というほど緊密な関係でした。もちろん、安倍首相はトランプ氏に迎合したわけでも、日本の国益を損ねたわけでもありません。しかし常に、トランプ氏に敬意を払って接したのです。このアプローチは、日米双方にとって非常に有益な結果をもたらしました。

※マット・ポッティンジャー氏の本記事全文(5000字)は、「文藝春秋」7月号及び、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています。全文では、以下の内容が語られています。
・関税の種類
・米中貿易戦争は低レベルで続く
・トランプ政権のインフレ対応

出典元

文藝春秋

【文藝春秋 目次】小泉進次郎 玉木雄一郎 若き政治家のコメ対決/羽生結弦ほか つながらない新生活様式/菊地功 コンクラーヴェ体験記

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