今も昔も、曲をヒットさせたい、音楽を一生の仕事にしたいというアーティストの思いは変わりません。大きく違うのは、デジタルネイティブであること。物心ついた時から音楽は聞き放題、YouTubeで好きなものが見られるし、SNSも使える。デビュー前から才能を発信する能力を持っている。たとえばAdoさんはニコニコ動画で歌っていましたし、藤井風さんもYouTubeにピアノ演奏をアップしていた。
昔は良くも悪くも、レコード会社がアーティストのイメージを作り上げていたところもありました。でもいまは、私たちがイメージを作って売り出そうとしても、すぐにSNSで同級生が「あいつは知り合いだけど、そんなキャラじゃないよ」と暴露しかねない(笑)。
アーティストを発掘する方法も変わりました。かつてはライブハウスやオーディションが中心でしたが、コロナ禍が続いたこともあり、いまはオンラインで探すことも増えました。デビュー僅か2年で日本レコード大賞優秀作品賞を「NIGHT DANCER」で獲得したimaseさんはTikTokで活動していたところ、若い社員がすぐにSNS上で連絡を取ったんです。彼になぜうちを選んでくれたのか聞くと、「一番リアクションが早くて、誠実だったから刺さりました」と言っていました。若い才能が次々出てくるのは嬉しいことです。
※本記事の全文(約7200字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(藤倉尚「アーティストの夢を手助けしたい」)。全文では下記の内容をお読みいただけます。
・酒類メーカーからの転職
・なぜ日本はCDが売れるのか
・社長から「知性と教養がない」
・従業員の正社員化で売上倍増
・アーティストが求めるもの
・ショックだった大物の移籍
・休みも仕事の一つ
藤倉尚氏が登場したグラビア記事「日本の顔」も文藝春秋PLUSでご覧いただけます
