後輩「翼先生」は裕翔よりも明らかに年上に見えた

 事件当日、約束していた午後9時に改札に行くと、裕翔から「出張が入って帰るのが遅くなりそうだ。先に翼先生と会って、自宅で待っていてくれ」という電話がかかってきた。

加害者と落ち合った地下鉄駅の改札

 果たして、その場にやって来たのが翼先生を名乗る福田友幸被告(当時39)だった。裕翔よりも明らかに年上に見えるので、不審に思ったが、社会人なんだからこういう人間関係もあるのかもしれないと考え、一緒に自宅へ向かった。

 その途中のコンビニで、「裕翔から聞いているんだけど、50万円を振り込むには、いったん口座の中のお金を抜かなければならない。口座に入れられるお金は限界があるので、50万円を振り込むと入らなくなる可能性がある。今いくら入ってる?」と聞かれ、「11万円ぐらいかな」と答えると、「それなら11万円を下ろしといて。端数はいいから」などと言うので、A子さんは11万円を下ろした。この金が後に奪われるとは夢にも思わなかった。

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被害者が現金を下ろしたコンビニのATM

「11万円貸して」下ろした現金まで奪われて

 部屋に入ると、福田被告から生い立ちなどを尋ねられた。人間関係がうまくいかないことを話すうち、涙が出てきてしまい、福田被告にハグされて慰められた。

「ちょっと横になろうか。マッサージしてあげる」

 A子さんはうつ伏せになり、福田被告は太股やふくらはぎなどを揉んでいたが、「専門的なオイルを買いに行かなければならない」と言われ、薬局へ行くことになった。薬局の2軒隣りには先ほど金を下ろしたコンビニがあった。

「お金を戻しておくから、11万円を貸して」

 福田被告は1人でコンビニに入って行き、A子さんは先に薬局へ行って待つことになった。やがて合流し、オイルを買った後、福田被告が「何でも好きなものを買ってあげる」と言うので、ドン・キホーテへ行くことになった。

加害者と行ったドン・キホーテ

 その途中で「小遣いや」と言われ、5000円をもらった。裕翔が住んでいるというマンションも教えてもらい、帰りはスーパーでアイスクリームを買った。

「じゃあ、さっきの続きをしようか」

 福田被告はオイルを手に取り、邪魔だから服を脱ぐようにと言われた。

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