「もういいです。疲れてるから」
「いいから、これに着替えるんだ!」
有無を言わさぬような厳しい口調で言われたので、A子さんは殴られるかもしれないと恐怖感を抱き、バスローブに着替えた。
すると、福田被告が足の間に体を挟むようにして割り込んできて、バスローブを脱がし、胸を舐めてきた。
「何するんですか!」
さらに下半身に顔を近付け、陰部を舐められそうになった。これは絶対に治療じゃないと思い、手で陰部を隠すと、福田被告はトランクスを穿いたまま、正常位の体勢になって、腰を前後に振ってきた。
「もうガマンできないよ!」
A子さんがパニックになって泣き始めると、「泣かないで。1万5000円あげるから。手か口でして」などと交渉してきた。
「イヤです!」
「それなら1分間でいい。このままでいさせて」
A子さんはそれで終わるなら耐えようと思ったが、福田被告は陰茎を取り出し、膣の中に挿入しようとしたので、絶叫して拒絶した。
ようやく疑問を抱いたA子さん「裕翔って本当に実在するの?」
結局、そこでわいせつ行為は終わったが、またどこかに電話をかけていて、「裕翔がキミの家に来ると言っているから、マンションに戻らないか?」と言われ、ホテルを後にした。
三度A子さんのマンションに戻り、A子さんは裕翔が来れば、福田被告を家から追い出してくれるのではないかと期待していたが、いつまで待っても裕翔は来なかった。
「裕翔って本当に実在するの?」
この期に及んでようやくA子さんは何もかもおかしいことに気付いた。
「じゃあ、ちょっと様子を見てくるよ」
こんなことを言って福田被告は出て行った。それっきり、裕翔とは連絡が取れなくなった。福田被告も戻ってこない。騙されたのだ。
