クリストファー・リーヴ、ヘンリー・カヴィルを筆頭に数多くの俳優が演じてきたスーパーマン。最新の『スーパーマン』でその大役を射止めたのは31歳の新鋭デイビッド・コレンスウェットだった。『ツイスターズ』(24年)などでの脇役を経ての大抜擢になる。
影響を受けたスーパーマンは…
「スーパーマンに強い思い入れがあったわけではないんだけれど、オーディションを受けるときに深く掘り下げて、驚くほど興味深いキャラクターだということに気づいたんだ。彼が生まれたのは1938年、まさに激動の時代に登場したんだよ。それからおよそ一世紀を通してさまざまな時代を力強く生き抜き、それぞれの時代に合った、あるいはその時代の申し子のようなかたちで繰り返し登場してきた。僕が彼を素晴らしいと思うのは強さではなく、時代を超越しているところ。タイムレスなアメリカの英雄であり、アメリカの象徴。人類の理想とも言えるような存在だ。僕が演じたのは、これまでのどのバージョンよりもシンプルで理想的なスーパーマンなんだと思っている」
が、だからといって、いかにもなスーパーヒーローではないようなのだ。彼は監督&脚本のジェームズ・ガンが参考にしたコミック「オールスター:スーパーマン」で描かれた姿に大きな影響を受けたという。
「そのコミックが刺激的だったのは、スーパーマンのコスチュームを着た男が座って、背中をかがめて控えめな態度をとっている絵だった。誰もが想像する胸を張って誇らしげに空を見上げる彼とは真逆だったからなんだ。このコミックのスーパーマンは、最終的には普通の人間になりたいと思っている。クラーク・ケントという仮の姿は、それを実行しているという解釈だよ。これはとても魅力的だった。そして、彼は人々から助けを求められる男でありたいと思っている。それが世界を救うような大きなことであれ、迷子になった少女のお母さんを探すことであれ、彼にとっては同じ。それこそが今回、僕がスーパーマンを演じるうえで最も心に留めたこと。僕にとっては『わかった、一緒にお母さんを探そう!』と少女に声をかけるスーパーマンがとても重要だったんだ」

