これまで枚挙に暇がないほど映像化されてきた究極のスーパーヒーロー、スーパーマン。そんな手垢のついたキャラクターを再びスクリーンに甦らせるという難題に挑んだのはDCスタジオの共同会長兼CEOに就任したフィルムメーカー、ジェームズ・ガンだった。
スーパーマンの善良さは現代に通用するか?
「昨今は、スーパーマンのもつ善良さをまっとう過ぎて面白みがないとか、古臭いヤツだと考える人が多いんだ。でも僕は、それは彼の魅力の一部だと思っている。とてもまっすぐでシンプルで、人々の善良さを信じる男なんだよ。この映画でユニークなのは、そういう彼を今の世界と対比させるところ。世界や人間に対して懐疑的なジャーナリスト、ロイス・レインに近づくことでそれがより際立つんだ。そういう構図を使って僕はスーパーマンの善良さを描きたい」
予告編ではみんなに石を投げられるスーパーマンなど、その痛々しい姿が強い印象を残す。今の世界では、善良であるためには血を流さなくてはいけないということなのだろうか。
「スーパーマンと世界の関係性を理解するのがこの映画の核なんだ。パーフェクトに善良な人に対して世界はどんなふるまいをするのか?というね。今の僕たちは、権力をもつ人々を信頼することができないというところまでいっている。そういうなかで、本当に善良な存在が現れたとしても、果たしてその人物を信用できるのか? この映画のなかでスーパーマンの身に起きるのはまさにそういうことなんだよ」

