木下氏及び岩本氏からの説得
森氏の取材に応じた本田教授は、この書面について、「ハラスメントに近い感情的な文章」だと思いを述べた。木下氏が岩本氏を擁護する背景には、両者の親密な関係があるとみられる。7人衆の中心である新浪氏が、木下氏及び岩本氏と会食した際の様子を明かす。
「2人は私を懐柔しようとしたのでしょう。木下グループの秘書室から連絡があって、東麻布の『富麗華』で会食しました。3時間の会食中、ほとんど岩本理事長が話していました。『職員のために正しいことをやっている』と一生懸命に話し、私を説得しようとしていました」
さらに、森氏が複数の東京女子医大関係者を取材したところ、木下氏につらなる検察人脈の一人として浮かび上がってきたのが、黒川弘務元東京高検検事長である。安倍政権において「官邸の守護神」の異名を取った黒川氏は、東京女子医大問題にどのように絡んでいるのか。
「文藝春秋」8月号(7月10日発売)、及び月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」(7月9日配信)に掲載されている「東京女子医大の黒幕は誰だ」では、黒川氏の関与に加えて、いまだ続く東京女子医大の混乱について詳報している。
出典元
【文藝春秋 目次】永久保存版 戦後80周年記念大特集 戦後80年の偉大なる変人才人/総力取材 長嶋茂雄33人の証言 原辰徳、森祇晶、青山祐子ほか
2025年8月号
2025年7月9日 発売
1700円(税込)
