日本経済の中心地、東京・丸の内から“マル秘”財界情報をくわしくお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「丸の内コンフィデンシャル」。最新号からダイジェストで紹介します。
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地銀再編の黒子
伝統的な預貸ビジネスが収益を生む“金利のある世界”に戻り、「体を大きくするのが最大の生き残り策」(大手地銀幹部)と、再編を狙う地銀が相次ぐ。
再編の黒子として注目されているのが、地銀に特化したファンドのありあけキャピタル(田中克典代表兼CIO)。田中氏はゴールドマン・サックスで日本の銀行のセクターアナリストを長く務めた人物だ。
存在感を露わにしたのは3月、千葉銀行(米本努頭取)が千葉興業銀行(梅田仁司頭取)の筆頭株主に躍り出た時だ。千葉興銀の株式の売り手が、ありあけキャピタルだった。
「千葉興銀は『ライバルの千葉銀行だけには保有株を売らないでほしい』と懇願したが、田中氏は聞き入れなかったようだ」(同前)
同社の出資先は、北國フィナンシャルホールディングス(杖村修司社長)、山口フィナンシャルグループ(椋梨敬介社長)など、10社程度とみられている。「田中氏は押しが強いことで知られ、金融庁幹部とのパイプを使い、再編を仕掛けてくるだろう」(同前)
再編のもう一つの黒子がりそなホールディングス(HD、南昌宏社長)だ。公的資金完済から10年、以前から「資本の活用ステージに入る」(南氏)と、地域金融機関への出資を含む連携拡大に意欲を示している。
南氏は関西学院大学出身で、2020年に社長に就任した。ITに精通した人物と言われている。
同社は新しい地域金融の連合体となる「スーパー・リージョナル・バンク」構想を長年掲げてきた。傘下に関西みらい銀行(西山和宏社長)やみなと銀行(持丸秀樹社長)を持ち、地銀を糾合する受け皿はある。
《この続きでは、ありあけキャピタルとりそなHDについて地銀幹部がコメントしています》
※本記事の全文(約5000字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2025年8月号に掲載されています(丸の内コンフィデンシャル)。全文では下記の内容をお読みいただけます。
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■連載「丸の内コンフィデンシャル」
【2025年】
1月号 セブン買収のキーマン、あおぞら銀の受難、メルカリの内憂外患、外食高値買収劇の裏
2月号 日産ホンダの同床異夢、ソフトバンクの隙間風、HISの後継者は?、犬猿の仲は続く
3月号 楽天ナンバー2の交代、貸金庫事件の余波、トヨタ会長活躍の裏で、パソナの世襲の行方
4月号 日産・社外取の思惑、魚谷氏のコンサル人脈、農林中金の退職金は、ヤマダ3人目の後継
5月号 岐路に立つ富士通、地銀再編の台風の目、農中が抱える爆弾、流通業の新旧交代
6月号 東芝の主導権争い、村上家に戦々恐々、“切れ者”の復活、牛丼一本足脱却なるか
7月号 パナ人員削減の裏側、西武に居住者の不満、樫尾家の院政は続くか、利権企業で相次ぐ騒動
8月号 《今回はこちら》
出典元
【文藝春秋 目次】永久保存版 戦後80周年記念大特集 戦後80年の偉大なる変人才人/総力取材 長嶋茂雄33人の証言 原辰徳、森祇晶、青山祐子ほか
2025年8月号
2025年7月9日 発売
1700円(税込)

