懲役は…

「4カ月前に荷物を取りに来たのが最後の姿になった。離婚して1カ月ほどで『彼氏ができた』とニコニコしながら報告してきたので、子どもの面倒も見られないのに、いい加減にしなさいと怒った。それでも『彼は私と同じ病気にかかっている。私のことをよく分かってくれる』と言って泣き出し、結局は家を出て行った。恵理は何でも相談なく決めてしまう。最後はケンカ別れみたいになってしまったが、私たちは恵理に落ち着いて考えてもらいたかっただけ。それでもあんなひどい殺され方をしたのは許せるはずがありません」

 恵理さんの父親は次のように話した。

「出先にいたら妻から電話があり、『ニュースでやっている殺された人が恵理かも知れない』と知らされた。警察に連絡すると、『すぐに来てほしい』と言われた。霊安室で対面し、被害者は娘に間違いないと確信した。悲痛な死に顔を見て怒りが込み上げてきた。私も離婚して早々に新しい男と暮らすと聞いて怒った。1度だけ恵理から電話があり、『許してもらえないか?』と言われたが、ふざけるな、それでいいと言って出て行ったんだろう、同棲を解消するまで許さないと言って突き放してしまった。今はまだ娘が亡くなった現実味がありません。野沢の首を叩き切ってやらなければ気が済みません」

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 だが、野沢は「犯行時は心神耗弱状態だった」と認められ、罪が減刑され、懲役5年を言い渡された。恵理さんが「死にたい」と言っていたのは事実だが、本望だっただろうか。

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