サザンオールスターズ、松任谷由実、奥田民生、そして福山雅治…日本国内のみならず海外の有名ミュージシャンや俳優たちを撮影し続け、今年76歳を迎えたカメラマンの三浦憲治さん。日本の音楽カメラマンの草分けが12年に渡って撮影し続けた故郷・広島が1冊の写真集『ミウラヒロシマ』(小学館)になった。
年間を通して折に触れ撮影を続けてきたが、11年間欠かさず撮影をしたのは8月6日、広島に原子爆弾が落とされた日である。
重苦しく戦争や原爆の悲惨さを伝える写真……ではなく現在の広島を生きる人々や訪れた観光客がカラリと撮影されている、じんわりと心に響く優しい写真だ。三浦さんの穏やかで人々を惹きつける人柄が、写真にもにじみ出ているようだ。それにしても12年前、なぜ三浦さんは広島の写真を撮り始めたのだろうか?
「先輩カメラマンの半沢克夫さんが、『ミウラ、自分の故郷の写真を撮ってみたらどうなんだ?』と声をかけてくれて。それで8月6日、原爆が落とされた日に毎年広島へ行って撮影をし始めました。
人々がどのような思いでその日を迎えているのか、1日広島で過ごして、その様子を自分の目で見て撮るようになりました。でも飽きっぽい俺がまさかこんなに長くやるとは思ってなかった(笑)」
戦後80年を迎えた今年は記念写真集発売に加え、毎年行なっている写真展が東京と広島で開催される。
「広島でも東京でもいくつかの会場で写真展を開催しますが、会場ごとにテーマを決め、写真を変えました。きっと広島に住んでいる人と東京に住んでいる人では写真を観た感想が全く違うと思います。ぜひ聞いてみたいですね」
写真集と写真展の題字は仲條正義氏。2021年10月に惜しまれつつ亡くなった名デザイナーのロゴが、三浦さんの写真展に彩りを添えている。発売されたばかりの写真集とともに、7月下旬からスタートする写真展もぜひ楽しんでほしい。
撮影 三浦憲治
INFORMATION
「ミウラヒロシマ」写真展
◉広島会場 本展会場――
◯広島PARCO 4階特設会場 8⽉1⽇(⾦)〜10⽉13⽇(⽉・祝)
サテライト会場――
◯広島市平和記念公園レストハウス 2階ピアノカフェ 7⽉20 ⽇(⽇)〜7⽉31 ⽇(⽊)
◯おりづるタワー 12階おりづる広場 8⽉1⽇(⾦)〜8⽉31⽇(⽇)*おりづるタワーは⼊場料が必要になります。
◯広島アンデルセン 1階エレベーター付近 8⽉1⽇(⾦)〜8⽉31⽇(⽇)
◯⼋丁座 ロビー 8⽉1⽇(⾦)〜8⽉31⽇(⽇) *福屋⼋丁堀本店8階
◯ジュンク堂書店広島駅前店 8⽉1⽇(⾦)〜8⽉31⽇(⽇)*エールエールA館6階
◉東京会場
◯ギャラリーAL(恵⽐寿) 7⽉28⽇(⽉)〜8⽉10⽇(⽇)
◯BEAMS JAPAN (新宿) 7⽉31⽇(⽊)〜8⽉11⽇(⽉)*4階「TOKYO CULTUART by BEAMS」にて
◯ギャラリー@btf (勝どき) 8⽉14⽇(⽊)〜9⽉6⽇(⼟)*⽊、⾦、⼟のみ開催
*各会場の住所、開館時間、問い合わせ先などの詳細は、「ミウラヒロシマ」公式サイト https://dps.shogakukan.co.jp/miurahiroshima をご覧ください。

