“オールドメディア”と称されながらも、読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞、毎日新聞、産経新聞の五大紙は全国紙としていまだに大きな影響力を持っています。読者の疑問に答え、本当に有意義な情報を発信できているのはどの媒体なのか。それぞれの社説や独自記事について徹底読み比べをしている連載が「新聞不信」です。「週刊文春 電子版」で毎週日曜日に配信中の記事より、2025年春から夏にかけての記事をまとめて紹介します。
「誤報は許されない」のか?
新聞記者の教育では「誤報は許されない」と叩き込まれるが、それでも誤報は起きるもの。問題はその後の対応だ。 毎日と読売が23日に石破首相の退陣を報じた。朝日24日付朝刊によると、報道を知った首相は周囲…

予定稿を捨てる勇気を
選挙報道で一番辛い仕事は何か。「予定稿づくりだ」と古手の政治部記者は言う。 各党の泣き笑いから政局や政策の行方まで、予め原稿にしておく。問題は選挙結果をどう読むか。あれもこれもと迷うと、原稿の山とな…

選挙報道指針に傲慢あり
7月9日付朝日朝刊に「選挙中も積極的に報道します」という見出しの記事が載った。「新聞各社の選挙の報じ方が変わりつつある」という書き出しだ。申し訳ないが変わった実感がない。 読み進めると全国紙では5月…

この夏もワンパターン
何だかいつも同じ政局劇を読まされている気がする。 国会の論戦が面白くなるとなぜか必ず、余計な政局話を書き出す。選挙や党首選、内輪揉め、失言。そのくせ後で論戦の貧しさを嘆く。不毛なワンパターンの繰り返…

株主総会記事の不思議
新聞社で企業を取材するのは経済部だが、株主総会はなぜか社会部が担当するという慣習があるようだ。株主総会は株式会社にとって最高の意思決定機関であるにもかかわらずだ。その昔、総会屋と呼ばれたややこしい人…

「牽制」の乱用に抗議する
本音で言うと、政治記事を読むのが苦痛である。自分の読解力のなさを馬鹿にされた気がして終わるからだ。 今回の内閣不信任決議案を巡る報道も辛かった。朝日が6月3日に放った特報記事のせいだ。「首相、終盤国…

新聞なくとも事態は動く
読売の6月11日付朝刊に「新聞・テレビ『信頼』69%」という記事があった。スマートニュースメディア研究所が実施した「メディア価値観全国調査」で、新聞やテレビなどマスメディアを「信頼している」と回答し…

「小泉米」、気持ち悪さの正体
迂闊にも、そのおぞましい呼び名を知ったのはネットの住民が騒いだお陰である。「小泉米」のことだ。5月28日夜、中日スポーツの配信記事が事の次第を教えてくれた。「政府備蓄米、一部メディアの“…

テキトー見出しの無責任
このところの新聞で「人工知能(AI)」という言葉を見ない日はない。おそらくきっかけは2022年の対話型AI「チャットGPT」の登場だろう。利用者は急激に増え、公開後わずか2カ月で1億人を突破した。そ…

欠けていたのは配慮ではない
今と同様に米価が高騰した75年前、時の池田勇人蔵相は「貧乏人は麦を食え」と言ったとされ、国民の反発を買った。ただ、実は「所得の少ない人は麦を多く食う、所得の多い人は米を食うというような、経済の原則に…

教訓さえない日産昔ばなし
永野芽郁と田中圭への「文春砲」では、その後にうんざりするほど信憑性の疑われる記事が他社から出た。読む気にもならなかったが、最後に「か?」と付いた見出しを見る限り、どれもこれも記者が「ひょっとして、こ…
