医師からは「2週間以内に治療する必要があった」と伝えられたが、ツトムくんが病院へ行った時点で、暴行を受けてから20日以上が経っていた。12月2日に診察を受けた大きな病院では、難聴の理由が判明した。

「詳しく再検査をしてもらい、外傷性もしくは突発的なものの可能性があり、心因性ではないとわかりました。Aに耳の近くを殴られたときの怪我が原因の可能性が高いとも言われました」

2年生の頃のツトムくん(一番左)

「Aが殴ったという証拠は今のところないです。ただ…」

 翌日、前日の受診を踏まえて再び母親は教頭に問題解決に向けた動きを求めた。

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「教頭先生は『Aが殴ったという証拠は今のところないです。ただ息子さんが我慢して辛い思いをしてきているのは事実なので任せてほしい』と言われました。しかし、そう言って何もしない姿を何度も見てきたので『息子本人の口からクラスで経緯を話させて欲しい』と伝えました。しかしそれに対しては『返事ができかねます』と言われてしまいました」

 学校との交渉では状況が改善しないと感じた母親は、12月5日に京都市の教育委員会にも同じ内容の相談を伝えた。

「教育委員会の担当者は『お母さんの言っていることはもっともです。これはいじめです。泣き寝入りしてはいけません。校長に言いますので』と言ってくれました。翌日には校長から連絡があり、担任の先生が交代することになったと伝えられました。それで少しは良くなるかと思ったのですが……」

 しかし担任が代わっても、問題は何も解決しなかった――。

次の記事に続く 「うちの子はやっていない。もう話し合う気は一切ない」いじめの暴行で難聴を負った小4男子が加害児童の保護者に浴びせられた“驚きの一言”とは