江東区内の小学校に通っていたリョウジくん(仮名)は苛烈なイジメを受けて5年生の途中から不登校に追い込まれた。イジメはおもに、クラスの大半が参加する「リョウジをぶっ飛ばす党」(RB党)というグループによって行われていた――。

陰湿なイジメで登校拒否に追い込まれたリョウジくん 筆者撮影

「リョウジをぶっ飛ばす党」の首謀者の男子生徒Aとリョウジくんの出会いは小学校1年生の頃だった。

「1年生の頃はAとは仲が良くて、毎日のように一緒に遊んでいました。ただAは元々イジメっ子気質で、“突然殴ってきた”や、“人の悪口を言っていた”、“〇〇に意地悪していた”などの嘘の噂を流したり、仲間外れにしたりしていました。Aがイジメていた同級生は、息子の幼なじみだったこともあり、息子には『その子にひどいことをしないように』と伝え、学校に相談したりしていました」(母親、以下同)

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Aから「裏切者」と言われるようになった“ある事件”

 Aのイジメのターゲットがリョウジくんに向き出したのは2年生のある“事件”がきっかけだ。リョウジくんが、イジメられていた幼なじみと登校中にAが急に幼なじみに殴りかかり、殴り合いになった。しかしAの保護者は学校に「一方的に殴られた」とトラブルを訴え、調査がされた。リョウジくんはその調査に「最初に殴ったのはA」と証言したため、Aから「裏切者」と言われるようになったという。

 その後、3年生でもリョウジくんはAと同じクラスになったが、母親は夏休み頃には違和感を持つようになっていたという。

「息子が外で遊んでいるところを見に行くことがありました。Aが息子を避けているような気がしたのでAに理由を尋ねました。すると『“リョウジくんはスケートボードが上手なのを自慢するから遊ばないほうがいい”と親に言われた』と言われ、そのうち遊びに誘われることもなくなりました。しかしリョウジに聞いても『自慢なんてしたこともない』と言うんです」

 スケートボードについて、リョウジさんはAに自慢したのだろうか。