「息子の影響でAもスケートボードを始め、練習先のスケートパークで顔を合わせることもありました。スケートボードの練習は危険なため、小学生には大人の付き添いが必須です。できることが増えると息子は『〇〇ができるようになった』と話すことはありました。息子は『自慢したつもりはないけど、〇〇できるようになった! 〇〇のトリックは難しい! とかスケボーの話を普通にしていた』と言っています。また、スクールで習ったことをアドバイスすることもありましたが、それもパークの子どもたちの間で交わされる、ごく普通の会話だったと思います」

 次第に、リョウジくんが遊びのグループに入ろうとしても、Aが「リョウジは来るな」と仲間外れにするようになった。

写真はイメージです ©AFLO

「担任の先生にトラブルを報告し、Aの保護者にトラブルの内容を伝えてほしいとお願いしたことはあります。しかし、担任の先生の判断で『これはイジメです』と伝えたというのです」

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「しかし4年生になってもクラス替えはなく、担任も同じでした」

 Aによるイジメは事実と異なる悪評を流すことでリョウジくんを孤立させようとするものだった。3年生の終わり頃、担任から電話があり、「リョウジくんとAの件は学校で、(リョウジくんへの)イジメとして認定して見守りをしていますが、その対応を継続するということでいいですか?」と伝えられた。しかし学校が事態をイジメと認識していることは、母親は初耳だったという。

「私はそれまで子どもたちの関係がこれ以上悪化しないように、あえて『イジメ』という言葉を使わずに、『仲間外れにされている』『意地悪をされている』としか担任には伝えていませんでした。そのため、『いじめ認定って何ですか?』と聞きました。全教員で情報共有して注意して見守る体制ということだったので、『ぜひ継続してください』と言いました。しかし4年生になってもクラス替えはなく、担任も同じでした」